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自分のことを知りたいですか?

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先日、こんなエピソードを聞きました。

社員数約800名の電気部品メーカーY社では、社長のスピーチが長い。試しに、社長に内緒で社員に対してアンケートをとった。 結果を見た担当者。

「この結果は、社長には見せられない」

弊社では、年初からスタッフに対して360度フィードバックを実施しています。一人ひとりが、約50名のスタッフ全員からフィードバックを受けるので、その人が周囲とどのようなコミュニケーションを創り出しているか、どのような関係性を創り出しているか、傾向がはっきりと浮かび上がります。

その結果に基づいて面談を行うのですが、結果に直面している当事者である部下は、たとえ否定的な側面が浮き彫りになったとしても、思いのほか楽しそうなのです。私はその様子を見ていて少しうらやましくなりました。

自分もどのように思われているのか知りたくなり、もともとの予定には無かったのですが、私自身も360度フィードバックを実施することにしました。

結果は、
「行動力があり、実績を出すことで周囲から信頼を得ている」
「指示がアバウトすぎて、何を言っているのかわからない」
「プレーヤーとしては優れているが、マネージャーとしての活動はよくわからない」
「部下とのコミュニケーションが少ない」
「会社のビジョンが見えにくい」
「もっと会社をリードして欲しい」
などなど。

ほとんどの答えは、自分が想像していた通りです。ところが、想像しているのと実際の声を聞いてしまうのとは全く別のこと。

現実に直面した瞬間のショックは多少ありますが、その後に、こうしよう、ああしよう、こうもできる......いろいろなアイディアが浮かんでくるのです。それは想像しているだけのときには起こらない。

そして、実際に私は、結果をもらった直後にあったスタッフとの月次のミーティングのやり方を変えました。


「自分のことを知りたいですか?」この質問をすると、ほとんどの人が「知りたい」と答えます。

自分のことを知る。自分の態度や行動が人からどう思われているのか、性格については? 服装は? 第一印象は? 今のままでうまくいっていることがわかれば安心できる。うまくいっていないことがわかれば、修正できる。つまり、自分のことを知れるようになると、未来が少しはっきり見えてくる。そして、未来のコントロールが可能になるわけです。だからみんな自分のことを知りたいと思う。

冒頭のエピソード。

もし、Y社の担当者が勇気を出して、フィードバックの結果を社長に渡していれば、社長は何かを変えたのかも知れません。

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