Coach's VIEW は、コーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。最新のコーチング情報やコーチングに関するリサーチ結果、海外文献や書籍等の紹介を通じて、組織開発やリーダー開発など、グローバルビジネスを加速するヒントを提供しています。
コーチングの目的は目標達成
コピーしました コピーに失敗しました「コーチングを学びたい」という方々が、弊社のコーチ・トレーニング・プログラム(以下CTP、現在のコーチ・エィ アカデミア)に参加されます。では、コーチングをそもそも学びたいと思った動機は何か? と聞くと、人それぞれです。
「マネジメントで活かしたい」「部下や上司とのコミュニケーションに活かしたい」。また、教育現場にいらっしゃる方も多く、「学校教育に活かしたい」「コーチングを取り入れたい」。一番多いのは、「コミュニケーション・スキルを上げたいから」です。
では、コーチングとは何か? と聞くと、さまざまな解釈が入り、多少の整理が必要なようです。
コーチングの目的は「目標達成を促進させること」です。目標を持つ本人がいて、コーチの役割は、その人の目標達成を促進させることです。ですから、コーチングを学ぶとは、自分が関わる相手の目標達成のスピードを上げるために学ぶ。これが前提になります。
コーチングにはさまざまなスキルがありますが、コーチングがいかに効果的かを最も実感できるのは、自分自身がコーチングを受けるときです。
コーチがやること、話し方、セッションの組み立て方などすべてが目標達成の促進に向けられているのが明確であるほど、成果はあがります。
私のコーチ、レベル氏は、目標達成促進のためにさまざまな仕掛けを持っています。以前にもご紹介した、初回セッションのセットアップ(※)は、私のコーチングへの取り組みを妥協させないインパクトがありました。
また、彼は、私が話したことをメモに残していて、セッションが終わるたびに、メールで送ってくれます。
そのメモの主語は必ず「Keikoは」で始まります。
・Keikoは、社内の機構の改善について誰々と話す
・Keikoは、リーダーシップ・アセスメントの中で、委譲についてのポイントを上げる
これを読むたびに、「自分でやると決めたのだ」ということが確実にリマインドされ、毎日の仕事現場において、私の頭の中でネオンサインのように点滅します。
ある日、彼とのセッションの中で、職場で取り組んだことやその成果について報告をしたときです。彼は一瞬、間をとってこう言いました。
"Keiko. Congratulations. You deserve it.I want you to know that."
(おめでとう。これはあなたが自分で手にいれたものです。それを知っていてほしい)
あなたは、目標に向けて取り組み、確実に進んでいるね。そういうメッセージが伝わります。
彼のコーチングで一貫しているのは、目標を常に意識し、それを達成する責任を確実に私に持たせることです。
また、彼から学ぶのは、目標をリマインドさせる仕掛けを持っているところ。それは、初回のセットアップの方法だったり、メモで使う言葉だったり、「おめでとう」というセレモニーだったり。些細なことなのですが、残るインパクトは大です。
目標達成を促進させることは、実にクリエイティブな仕事です。目標達成にワクワクした感覚を乗せる。それがコーチの仕事だと感じています。
※Coach's VIEW No.149を参照
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