Coach's VIEW

Coach's VIEW は、最新のコーチング情報やリサーチ結果、海外文献の紹介を通じて、組織改革や人材開発、リーダー開発グローバルビジネスを加速させていくヒントを提供するコラムです。


組織の生産性を高める

コーチングのできるマネジャーが率いる組織は、生産性が高い。
コーチングによって自律型の人材が育ち、組織のスピードがあがり、
生産性が高まる。

この事実は、実証されつつあるように思います。

「スピード」は組織の生産性を高めるための最も大切な要素の一つです。
上司に判断を求める回数が多ければ、それだけスピードは鈍ってしまいます。

組織のスピードを上げ、生産性を高めるためには、
自分で考え、行動し、責任を取ることのできる、
自律型の人材が必要なのです。

近年、その考え方に基づき、組織がコーチングを導入する目的にも
変化が現れています。

「コーチング的な風土をつくる」という抽象的な目的から
「生産性を高める」という、
より明確な成果を目的とするようになってきているのです。

「聞く」「承認する」「相手から引き出す」
などのコーチング・スキルをマネジャーが学び、
社内のコミュニケーション風土を変える。

というところから、一歩進んで組織内でコーチングを行うことで、
個人の成長や学習を促進し、自律型の人材を育て、組織の生産性を高める。

より多くの予算と時間を投資し、
本格的にコーチングによる人材育成を行おうという流れが
はっきりと出てきているように感じます。

組織内でのコーチングを成功させるには、いくつかのポイントがあります。

まずは、コーチングのテーマを絞ること。
例えば、

・360度評価に基づくスキルアップやキャリアアップ
・目標管理制度に基づく目標達成やスキルアップ
・営業スタッフのコンピテンシー(職能)に基づくスキルアップや業績向上
などのように、焦点を絞ったうえで、
テーマに沿ったアセスメント(※欄外参照)に基づいた
コーチングを行います。

現在抱えている仕事・課題の整理や、目の前の行動だけに
焦点を当てるのではなく、
本人の成長や、学習促進を念頭に置いた切り口が求められます。

また、組織内でのコーチングによるトラブルを防ぐためには、

・社内業務と無関係の個人的な要望は扱わない
・コーチングの内容をどの程度まで上司に開示するかなどの
守秘義務について規定しておく

などが大切です。

あるメーカーでは、役員退職者を対象に、
コーチング・スキル・トレーニング(CST)を行い、
「社内コーチ」として後進の指導をさせるような取り組みを始めています。

今後発生する大量の退職者に関し、人材の有効活用はもとより、
社内で培われた技術や風土、文化の伝承なども視野に入れた
コーチングの導入として、
とても興味深い事例だといえるでしょう。

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