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若返りのスイッチ

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2006年8月、ニューヨークで内科医を開業している、ロッジ先生をたずねました。『若返る人』の著者であり、「進化生物学」という新しい学問の専門家です。

彼は、人間には「成長」と「衰え=老化」のスイッチがあると言います。

これまで老化は仕方のないものと思われてきました。しかし、誰でも、年をとれば同じように身体が衰えるわけではない。

「成長」のスイッチを入れるための信号を、意図して脳と身体に送る。そして、身体に送る信号は「毎日の運動」「人を愛すること」「理にかなった食事」そして「参加すること」にあると。

ロッジ先生は続けます。
「運動の目的は、心肺機能を高めることだけではない。運動をすることによって、脳と体に信号を送ることになる」

(220-年齢)×0.7~0.8の心拍数のゾーンに一定時間入ると、脳から成長信号が発信される。それは、普段ものを考える脳ではなく"身体脳"と彼は呼んでいます。

よく筋肉を鍛えている人は、重いものを持つことで筋肉が傷つき、それを修復する過程で筋肉がついていくといいます。同じように、運動によって体が酸化すると、それを修復するために抗酸化の働きが起こります。つまり、修復し、成長させる「スイッチ」が、運動によって入るわけです。

私はこれまでも、ときどき運動はしていましたが、今は運動をする意味がまるで違います。これまでは、適度な運動は体にいいから。終わった後に気持ちがいいから。しかし今は、私は私にコミュニケートしている。脈拍を120~140に上げることで、私の脳は成長のスイッチを入れているのです。

実は会社の中でも同じような現象が起こっています。漠然とですが、会社の中では成長のスイッチが入ったり、衰えのスイッチが入ったりしています。

それは、変化に対する態度、判断や行動のスピード、コミュニケーション、人間関係、そして、感受性、柔軟性に表れます。そこで交わされる会話、そして、言葉にならない態度や振る舞いが、会社を成長のモードに入れたり、老化、衰えを促進させてしまっています。

ちなみに、若さのポイントとしては、
・意思決定のスピード
・いろんな人が活躍できる(多様性)
・発言の自由
・所属している社員が発する言葉に「わくわく感」「躍動感」がある
・部署の枠を超えて身軽な動きが取れる
・好奇心が旺盛
・革新を続ける風土とそれを支える人の活力
・会議の活気
・笑い声が聞こえる
などが挙げられます。

次回は、老化を引き起こすポイントについて見ていきたいと思います。

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