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逆上がりとコーチングスキル
コピーしました コピーに失敗しました小学4年生の次女はあまり運動が得意ではありません。昨年の春から、週に1回、体育の個人レッスンを受けています。跳び箱は1ヶ月で跳べるようになりました。
次の1ヶ月で縄跳びの二重跳びもできるようになりました。しかし、鉄棒の逆上がりがなかなかできない。少しずつ、確かに進歩はしているのですが、なかなかできるようにならないのです。
それでも娘は根気よく練習にはげみ、1年後にやっとできるようになりました。不思議なもので、できてしまうとできなかったことがうそのように、くるくると回っています。
先日、ある企業でコーチングの研修を行いました。
研修をはじめて1時間ほどしたとき、参加者のひとりが、「あれ、この研修を受けたことがあるような気がする!」と言うのです。 よく聞いてみると、その参加者は1年前に今の会社に転職したのですが、3年ほど前に、前職でコーチングの研修に参加したというのです。ところが、その研修の内容をほとんど覚えていない。とてもいい研修だったという印象は残っているが、日常には活かされていないのです。
・ 相手の話をさえぎらず最後まで聞く
・ 相手の良いところを探してほめる
・ 相手に考えさせたり、相手から引き出すような問いかけをする
・ 相手が受け取りやすいような提案や要望をする
・ 相手の個性やタイプに合わせた関わり方をする
このような代表的なコーチングスキルは、マネージャーにとって必須のものだと考えられます。マネージャーが、この中のひとつのスキルをほんのわずかでも向上させるだけで、職場の雰囲気や、部下の動き、生産性に大きな影響を与えます。
ところが、1日や2日の研修でコーチングスキルを向上させることは難しい。もちろん、研修によって得られるコーチングに関する知識や経験は、貴重なものです。しかし、残念ながらコーチングスキルを使いこなせるようになるとは言えない。コーチングについてはわかるけれど、実践したり定着するところまではなかなかいかないのが現実です。これは短期集中型研修の持つ限界なのだと思います。
コーチングスキルを身につけるためには、継続的なトレーニングが必要不可欠です。スキルを学び、学んだスキルを日常の生活で実践する。その成果や改善点などを振り返り、また実践する。この繰り返しこそがトレーニングです。そして、コーチングスキルはトレーニングをすれば必ず上達するのです。
ある大手生命保険会社のエリアマネージャーに対して、3ヶ月間のコーチング・スキル・トレーニングを実施しました。トレーニング後の売上を前年と比較すると約20%増。このように、コーチング・スキル・トレーニングの結果として、業績が上がるなどの成果が多数報告されるようになってきています。コーチングスキルを持っている人の生産性が高い、という、私たちが経験的に感じていた仮説は実証されつつあるように思います。
小学生は、3年生になったら逆上がりの練習をする。ビジネスマンは、マネージャーになったらコーチングの練習をする。
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