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コーチングをスキルアップする方法

コーチングをスキルアップする方法 | Hello, Coaching!
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最近では、多くの人がコーチの認定資格を得て、コーチとしての活動をしています。

しかし、資格を取得したとしても、コーチとしてスキルアップし続けるためには、トレーニングや学習を続けることが重要です。

国際コーチング連盟(ICF)の認定資格は、いったん取得したらそれで終わりではなく、更新することが求められます。更新の条件として、「コーチのコア・コンピテンシー(核となる能力)に関する学習を続けること」というものが含まれています。すなわち、コーチとしての継続的なトレーニングと学習が必要なのです。

もちろん、トレーニングスクールや自主勉強会などにおいて学習することも大事ですが、自分のスキルを判断する方法としては、クライアントからのフィードバックが有効です。

私の場合は、自分のコーチングセッションを「客観的に聞く」ということを定期的にしています。これはインパクトがあり、自分の課題が具体的に、明確になります。自己学習するうえで非常に効果的ですので、方法をご紹介します。

1.クライアントに、セッションを録音することの了承を得る。またその際、自己学習が目的であることを必ず伝える。

2.審査シートを用意する。
※ 審査シートは、国際コーチング連盟(ICF)が出している「コーチのコア・コンピテンシー」を利用することをお薦めします。「コーチのコア・コンピテンシー」はこちらからご覧になることができます。(日本コーチ協会)

3.それぞれのコンピテンシー項目を見ながら、自分のセッションの録音を聞き、できている、できていないのチェックをつける。

以上のプロセスを経るだけで、自分の実力が明確になるのと同時に、コーチのコンピテンシーとして何が求められているのかを学ぶことができます。コーチのコア・コンピテンシーは、大きく4つに分かれています。


A.ファウンデーション(基盤)を確立する
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・コーチの倫理規定とプロとしての基準を満たす
・コーチングに関する同意を取り交わす


B.関係をともに築く
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・クライアントと親密な信頼関係を築いている
・コーチとしてのプレゼンスがある


C.効果的なコミュニケーション
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・アクティブ・リスニングをしている
・効果的な質問をしている
・率直なコミュニケーションがある


D.学び、成果を得ることを促す
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・「気づき」を促している
・行動をデザインしている
・行動計画とゴールセッティングがある
・進行状況を管理し、責任を明確にしている

それぞれがさらに小項目に分かれており、全部で65の小項目があります。これは長年かかって作り上げられただけあり、主な領域を網羅しています。

・クライアントが自分を正当化したり、過去を振り返るためではなく、望む方向に進めるような質問をすることができる

・話のポイントを明確にし、具体的な絵が書けるように、メタファーや逸話を使うことができる

・クライアントが実行すると決めた行動をとらなかった場合、そのことに積極的に向き合わせることできる

これらは小項目の一部ですが、コーチとして経験や実績を積むということは、これらのコア・コンピテンシーを、真に、より高いレベルまで身につけていくことを意味します。

私は、国際コーチング連盟(ICF)の認定コーチの資格の口頭試験で試験官を務める機会がありますが、熟達した人のコーチングと、初心者のコーチングには、これらのコンピテンシーに雲泥の差があります。

ぜひプリントアウトして、日常的に持ち歩き、常に自分のコーチングをチェックすることに使うことをお薦めします。それがスキルアップに大きく関与することに間違いはありません。

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