Coach's VIEW

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姿勢のパワー

人前に立ったときの姿勢、
向かい合ったときの姿勢、
普段歩いているときの姿勢。

それらは、仕事への取り組みかた、自信のレベル、人に対する関心、
仕事や人生への満足の度合いを表しています。

客先に出向き、オフィスに入ってから最初の10秒か15秒で、
何を言うか以前に、歩き方、座り方、しぐさ、それらがすでに、
取引の成立、不成立に影響してしている可能性があります。

姿勢、顔つきや目つき、眉の動かし方、顔全体の表情などで、
相手を惹きつけることもあります。

言葉にならない「ノンバーバル(非言語)」レベルの
コミュニケーションは、直接人間の感情や潜在意識に働きかけています。

どんなに流暢に話しても、ノンバーバルな情報は、
それ以上に影響しているものです。

ゴードン・ウェインライトによる
『Teach Yourself Body Language』(マグロウヒル社 2003)は、
すぐに応用し、自分の人生を変化させることができるような、
とても実用的な内容です。

言っていることはシンプルです。

「姿勢を正しましょう」

ウェインライトは、まっすぐに立ち、おなかを引っ込め、
頭を高い位置におき、会う人たちに微笑んでみることを提案しています。

これを一週間続ける。

特に、職場で通常あまりフレンドリーには思えないような人たちに対して
集中的にやってみる。

ウェインライトはこの実験を繰り返した結果から、
姿勢を正すことで、自分への扱いが変わることを予測しています。

より尊重され、より大事に扱われ、
気難しい人たちでさえ好意を寄せてくる可能性があると言っています。

姿勢は、大雑把に言えば、今の自分のありかたを物語っているのです。
それを、あなた自身が世間に示しているのです。

がっくり落ちた肩、うつむいた目線、歩調の遅さ、そしてたるんだ腹部は、
自信に欠け、十分なエネルギーがなく、おそらく、
あまり重要人物でも成功したパワフルな人物でもないだろうという
意味合いを結果的に世間に与えてしまうのです。

これらの、ほんのつかの間の印象は正確でも公正でもありません。
しかしそれは、必然的な結果なのです。

姿勢、そして振る舞いと呼ばれているものは、
例えば、重要な契約を協議する時、
あるいは商談をまとめようとしている時、
特に、重要な役割を担います。

私たちは勝者である人物と取引をしたいと思っています。
また、力のある立場から事を動かしているように思われる人々に、
より交渉ポイントを譲りがちになるものなのです。

自分の姿勢や、振る舞い、表情などは、鏡を使わない限り
その場その場で確認することはできません。

だからといって、商談の最中に自分の表情を
鏡でチェックするのは難しいことです。

例えばゴルフのスイングも後でビデオで見ることはできますが、
その場その場では見ることができません。

したがって、スイングをチェックするためには、
自分の感覚を使うほかありません。
理想的なスイング、ボールを狙ったところへ運ぶスイング、
その感覚を覚えるのです。

プロの選手がボールを打つ前に、素振りをするのは、
その感覚を呼び起こすためなのです。

練習の時には、スイングをチェックするために、ビデオを撮ったり、
コーチからのフィードバックを受けたりして、
スイングと感覚のチェックをします。

さて、コーチは、オフィスや客先での姿勢や振る舞いについて
コーチするとき、自信にあふれた、エネルギッシュな姿勢になるために、
その感覚を覚えてもらいます。

ものの見え方、呼吸の状態、足の裏の感じ、力の入り具合など。
いくつもの質問を通して、感覚を芽生えさせ、そして、感覚を記憶させ、
再現できるようにコーチします。

それは単に外見上の見せかけをつくるわけではありません。
そのプロセスで自分をコントロールすることを学び、
相手に与える影響を知り、その責任を取るようになります。

また、相手から不用意な影響を受けないあり方も身につけるのです。

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