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言い訳と罰金
コピーしました コピーに失敗しました先日、このコラムを一緒に書いている伊藤とゴルフに行きました。
伊藤は私の上司、そして私の最も尊敬するコーチです。私にとってはゴルフのコーチでもあるので、月に一度ぐらい一緒にラウンドするのです。
ゴルフの魅力はいろいろありますが、特に、狙いを定めて、その自分のイメージどおりにボールを打てたときの快感は、筆舌に尽くし難いものがあります。ところが、いつも思い通りに打てるものではありません。
逆に、打てないことの方が圧倒的に多いわけですが、止まっている球を打つというゴルフの構造上、自分の打った結果に言い訳ができないところにも面白さがあるのではないかと思うのです。
その日、伊藤はスタート前に、
「今日は、打ち終わった後に、『あ!』とか『う!』とか言ったら罰金というルールでやろう」
と言いました。
自分で球を打っておきながら、言い訳するような声を出したり、「おかしいな?」とか「あれ!?」など、責任を放棄するような発言をすることは、生き方としてよくないのではないか。自分のゴルフの結果に文句をつけるような、人任せの人生を送ってはいけないのではないか、というわけです。
しかし、これが難しい。
桜井のティーショット、打った瞬間右に飛んでいって、
「あ!」
罰金。
伊藤のアプローチ。大きすぎてグリーンオーバー。
「うそ!」
罰金。
一緒に回っていた、コーチAの社長、鈴木のティーショット。大きく左にフックしていってOB。
「あ! あーーー! あー!」
1回のショットで罰金3回分。
ナイスショットの時はいいんです。きれいに飛んでいく球の放物線を眺めて、いい気分になっているわけですから。ところが、ミスショットには、思わず「あ!」、「え!」、「う!」、「あれ!」もう言葉にならない言葉の連発です。
しかし、打つ前に「声を出さない」「言い訳をしない」と決めておく。決めて、意識を集中していると、ミスショットでも声は出ない。打ち終わったあとに、自分のショットを冷静に振り返ることもできる。
伊藤曰く、
「ゴルフもマネジメントも同じ。ゴールに狙いをつけて、それを実現しようする。思い通りにいかないときに、『あれ、どうしてうまくいかないんだろう?』『なんでこうなっちゃったの?』『おかしいな、こんなはずじゃないのに』なんていう言葉が出てくる程度の決めと意識でいたら、うまくいくはずがない」
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