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コーチング型マネージャー

3分間コーチングは、従来コーチは何をするか、
何を話すかを扱っていたのに対して、
どの「場面」や「タイミング」で声をかけ、
会話を始めるのが効果的かに着目しています。
今のコミュニケーション能力で効果を上げるためには、
「場面」の設定が欠かせません。
部下にとって、上司とのコミュニケーションが必要になる「場面」や
「タイミング」というものがあることがわかっています。
上司が「場面」や「タイミング」をうまくとらえることができれば、
最小限のスキルで、効果を期待できます。
マネージャーが業務の過程でコーチングを始めるとき、
もっとも現実的な手法として3分間コーチングは考えられたのです。
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コーチング型マネージャー(manager as coach)とは、
コーチングスキルを身につけ、
それを活かしてマネジメントを行うマネージャーのことです。
コーチング型マネージャーは、チームのプロジェクトの全工程に関わっています。
目標設定に始まり、チームワーク、リスクマネジメント、
日々の仕事を通しての部下育成、不測事態への対応など、
業務のあらゆる場面で部下をコーチしています。
業務の遂行をコーチしながら、
同時に、業務の遂行を通して部下育成を試みています。
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3分間コーチングは、コーチング型マネージャーがマネジメントに使える、
具体的なコーチングの一つです。
時間的な制約、コミュニケーションスキルの制約、
場所の制約、これらの制約に縛られずに、
部下のニーズに合わせて、声をかけ、会話を始めます。
無理に話題を考えたりする必要もありません。
部下の業務の遂行をコーチし、
ブレーンストーミングの相手になり、
部下の成長をコーチします。
わざわざ談話室や会議室に行かなくても、
部下の机の隣に椅子を置いて話してもいい。
廊下で立ったまま話してもいいのです。
営業に向かう電車の中や、タクシーの中など、
場所や時間は問いません。
業務を止めてしまわない。
動きを止めないで、動いている状況をテーマに
動きながらコーチしているイメージです。
営業に向かうタクシーの中で
「今日の聞き出したい情報は?」
「提案のポイントは?」
「担当者のタイプは何?」
「時間はどのぐらい?」
客先に出向いてから営業が始まるのではなく、
すでに、行きのタクシーの中で、営業が始まっている。
こうして、ちょっとした未来をコーチします。
コーチング型マネージャーのコーチングで大切なのは、何を話すか以上に、
コーチングの「場面」と「タイミング」を捉える能力だと思います。
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