Coach's VIEW

Coach's VIEW は、コーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。最新のコーチング情報やコーチングに関するリサーチ結果、海外文献や書籍等の紹介を通じて、組織開発やリーダー開発など、グローバルビジネスを加速するヒントを提供しています。


リーダーシップの開発

リーダーシップの開発 | Hello, Coaching!
メールで送る リンクをコピー
コピーしました コピーに失敗しました

景気が悪くなると、当然企業は経費の削減を始めます。それは日本もアメリカも変わりありません。

ただ、ひとつ違いがあって、日本では人材育成も経費として考えますから、経費削減の対象となります。しかし、アメリカの多くの企業は、人材育成を投資と考えていますから、景気の良し悪しに関わらず、投資は続けられます。

ところで、ある調査によれば、『53%の組織が、人材不足に直面している。その問題のほとんどが中間管理職やディレクター層に集中している』 との報告があります。

ここでひとつ言及しておかなければならないことがあります。

それは、人手不足と人材不足は、まるで違うものであるということです。

高度経済成長の頃には人手不足が問題になりましたが、企業が今求めているのは、人材、特に「リーダーシップの発揮できる人材」です。

アメリカの企業がトレーニングに関して最も投資している分野は、マネジメントやリーダーシップ、エグゼクティブに対する育成トレーニングにあり、予算の35%以上が使われています。

企業が、リーダーシップ育成プログラムの開発を急ぐ理由としては、
・ 社内のリーダー候補者数を増加させるため(44%)
・ スキルのギャップを減らすため(42%)
・ もっと早くリーダーを育てるため(35%)
などがあります。

また、具体的にリーダーシップの開発を成功させるポイントとしては、次のようなものが挙げられます。

1.エグゼクティブ層の強い関わりを維持する
2.テーラーメイドのリーダーシップ・コンピテンシーを定義する
3.事業戦略に結びつける
4.すべてのレベルのリーダーをターゲットにする
5.包括的なプログラムデザインを適用する
6.リーダー育成プログラムを、企業の人材開発戦略と統合させる

この6つのポイントは、実際にリーダシップを開発する上でのポイントになります。


実は今、ニューヨークで原稿を書いています。

金融不安を直接感じることはありませんが、新聞やテレビはもっぱらそれを報道しています。

今日のように、複雑、不確実な状況で、未来を予測し、行動を起こしていくリーダーが強く求められているのは、日本もアメリカも同じだと思います。

それも、カリスマ的なリーダーの出現を待つという受け身な在り方ではなく、人の中にある「リーダーシップ」を発揮させること、つまり、リーダーを育てることへコミットすることが、これからの企業の存亡に影響するように思います。


【参考資料】
BERSIN & ASSOCIATES INDUSTRY REPORT
High-Impact Leadership Development
Market Overview and Executive Summary
Kim Lamoureux, September 2007

この記事を周りの方へシェアしませんか?


※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。転載、その他の利用のご希望がある場合は、編集部までお問い合わせください。

コーチング・プログラム説明会 詳細・お申し込みはこちら
メールマガジン

関連記事