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グローバルリーダーの共通点

グローバルリーダーの共通点 | Hello, Coaching!
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先週の金曜日、日本経済新聞社主催の「今企業が求めるグローバルリーダーの育成」というセミナーで講演をしました。500名の定員に対して1,900名の応募があり、抽選で受講者を確定したといいますから、グローバルにリーダーシップを発揮できる人材をいかに企業が求めているかがわかります。

私以外に、何人かの企業のトップの方が、自身の体験を基に、どのようにすればグローバル人材が育つかについて話をしてくださいました。聞いていて面白かったのは、みなさんの「育成」に対する考え方です。いくつかの点について、正反対の考え方をお話されていました。

ある人が、
「やはりまず英語で会議ができ、議論できるようでないとグローバルリーダーは務まらない」

と言えば、別の方は、
「語学ではない、とにかくまず現地に行ってみて経験することだ」
と言う。

「リーダーとしてのコンピテンシーを抽出し、それを現地で研修を通して身につけさせることが大事だ」

と言う人もいれば、
「そもそもリーダー以外は現地に赴任させない。後はその国で自ら学ぶべき」
と言う人もいる。

どれも数々の自分の経験を通して培った金科玉条です。本よりも何よりも、やはり人は経験から学び、それを信じるのだなと改めて思いました。


さて、そういう視点の多様さはあったのですが、ひとつどの講演者も共通認識としてあったのが、「語るべきものを持っていない人が、他国でリーダーとして振舞おうと思っても、それは土台無理である」ということでした。

一般的には、赴任する前にその国の文化を学び、習慣を学び、ビジネス慣習を学習します。もちろんそれも大事ですが、相手はどうなのかということばかり先に考えてしまうと、それになんとか合わせようとして、どちらかというとこちらは受け身になってしまいます。

相手を知る以上に、まず自分を知る、自分の事業について知る、自分の会社について知る方がずっと大事であるというのが大方の見方でした。つまり、自分の会社は一体これから何をしようとしていて、グローバル規模での存在意義は何で、その中で自分の事業部はどんな役割を果たそうとしていて、そして、自分は一体何を成し遂げたいのか。

伝えたいこと、表現したいことを持たないと、そもそも他国の人との間にコミュニケーションが起こらない。こちらに通じ合いたいこと、協力を仰いで実現したいことがあれば、日々どう付き合うかは後からいくらでもついてくる。どの講演者も(私も含めて)、この考えは持っているようでした。


昨年、上海にある、ある日本企業の現地法人の社長を、東京と電話でつなげてコーチングさせていただきました。

150人の部下がいて、その大半は中国人です。コーチングスタート時、彼は報告を上げてこない中国人にいらつき、町で横入りをする中国人にいらつき、自分より後から注文した人に先に餃子が出てくることにいらついていました。

私が彼に問いかけたのは、どうすれば報告があがってくるかではなく、元々どういう動機でこの会社に入ったのか、どういうときにこれまで最もわくわくしてモチベーションを感じたか、中国で何を実現したいか、自分でなければ果たせない役割はなんだと思うかということでした。

彼はコーチングが進むにつれ少しずつ、自分の中にやりたいことを明確にしていきました。そうすると、どう中国人に報告をあげさせようかではなくて、自分のやりたいことを実現するために、どう中国人の方を活かせるのかという風に、視点が変わるようになります。

コーチング終了時に部下に取ったアンケートでは、以前よりも社内が活性化したという人が約80%、以前よりも彼のリーダーシップが向上したという人は約70%に及びました。


やりたいことがある、伝えたいことがある、表現したいことがある、他国の文化を学ぶ前に、まずはグローバルリーダーが内側に備えたい状態です。

もちろん、グローバルリーダーだけでなく、リーダー一般に言えることかもしれませんが。

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