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リーダー育成はいつ始めるのか
2009年01月28日
これまでリーダーとは、与えられた権限とイコールだと考えられてきました。課長になったから、部長になったから、すなわちリーダーであり、就任したその日からリーダーシップを発揮するものだと思われてきました。
しかし、課長、部長になったからといって、突然リーダーシップを発揮できる訳ではありません。
リーダーシップと権限の関係はもちろんゼロではありません。しかし、権限だけがものごとを推進する動力源ではないのです。そこには、「影響力」が大きく関係してきます。
権限は委譲できます。しかし、影響力は委譲できません。
影響力にはさまざまな意味が込められています。信頼、情熱、行動力、決断力、判断力、未来を読む力、コーチングスキル。これからの時代、権限だけに頼って影響力を身につけなければ、誰もついてこないでしょうし、個人や組織が目標を達成するのも難しくなります。
組織がリーダーを育てるためには、タイミングよく権限を委譲し、できるだけ早い時期から影響力を身につける訓練を始めることが重要です。
では、いつからリーダー育成を始めるか? それは、早いほどいいのです。リーダーとしての視点をできるだけ早く持たせる。そうでないと、役職についても、自分本意な思考から抜け出せなくなる可能性があります。
リーダーの特徴は、自分だけではなく、他の人たちの目標にも関心を払い、他の人たちの目標達成に尽力しようとするところにあります。自分の部や、課を超えて、成功の連鎖を生み出そうとします。そうであれば、できるだけ早く、他の人の目標達成に自分の力を使う経験をさせることが効果的です。
自分の立場やキャリアに執着する前に、リーダーとしての視点を経験する機会を与えることです。それはやがて、組織全体の「ソーシャルキャピタル」を蓄積することにつながるでしょう。
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