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うまくいく方法
コピーしました コピーに失敗しました一ヶ月ほど前の日曜日のことです。
家で飼っているミニチュアダックスフンドが、散歩の途中で突然立ち止まり、動かなくなりました。
「おいで」とリードを引くと、その場に横になってしまい、まったく歩こうとしません。抱き上げて家につれて帰りましたが、様子がおかしい。立たせてみると、後ろ足がふらふらして動かない。症状から見ておそらくヘルニアです。
インターネットでいろいろと調べた結果、鍼で治療をすることにしました。鍼を選んだ理由は、手術をしても100%回復するという保証はないこと。自分も腰が悪く、ときどき鍼を打ってもらうことがあり、よく効くこと。
翌日、ネットで見つけた鍼治療専門の動物病院に出かけました。
獣医さんは、うちの犬を見るなり「治りますよ」と言います。ずいぶん簡単に言うとは思いましたが、任せることにしました。
犬の脈を見て、背中、足、耳など、数箇所に鍼を打ちます。その間、15分くらいで終了。
驚いたことに、翌日にはふらつきはするものの、自分の力で立ち上がっていました。現在、通院7回目。家の中で走るほど回復し、その治療の効果に驚いています。
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1997年以来、コーチ・トゥエンティワンは、さまざまな形でコーチングスキルのトレーニングを提供し続けています。この10年間の経験から、多くのことが明確になってきました。
そのひとつは、カテゴライズされたコミュニケーションが生産性を高めていることです。
生産性を高めるためには、ただ単にコミュニケーションをとれば良いというわけではなく、「カテゴライズされたコミュニケーションスキル」を「カテゴライズされた場面」で使いこなすことが必要なのです。
カテゴライズされたコミュニケーションスキルとは、
・聞く
・質問する
・承認する
・相手のタイプに合わせる
などなど。
カテゴライズされた場面とは、
・面談
・3分間コーチ
・インフォーマルな会話
などなど。
やみくもに誉めればいいというわけではないし、愚痴を聞くだけでは生産性は上がらない。ただ面談しても効果はない。飲ミニケーションを復活させたからといって、必ずしもうまくいくわけではない。
カテゴライズされたコミュニケーションスキルを、カテゴライズされた場面で効果的に使うこと。それらを総合して私たちはコーチングと呼んでいるのです。
コーチングを正しく理解し、うまく使うことができれば、生産性は確実に上がります。
私たちは、どうやったらうまくいくか、やり方やその場面での答えを求めがちです。ところが、コミュニケーションにひとつの答え、正解はありません。いつも、こうすれば、うまくいく方法や答えがあるわけではないのです。
うまくいく方法。それは、正しい知識と技術を学び、それに基づく経験によってしか得ることはできません。
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獣医さんに聞きました。
「なぜ治るのですか?」
「正直に言うと、なぜ治るのか理由はよくわからないんです。でも、犬を脈診して、体質、体力、症状に合わせて適切なつぼに鍼を打つと治ります。いい治療に必要なのは、正しい知識と技術を学ぶこと。それに基づく経験です」
※ コミュニケーションスキルについては、コーチ・トレーニング・プログラム(以下CTP、現在のコーチ・エィ アカデミア)の中の「コーチングの基本スキル」クラスで詳しく扱っています。
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