Coach's VIEW

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3分間コーチ ~もっとカジュアルに~

「部下との会話を取ろうにも、なかなかまとまった
時間を取ることができないのですが」

「場所は会議室を取った方がいいのでしょうか」

いざ、コーチングを部下に対して実践しようと思ったとき、
いろいろな疑問がわいてくるようです。

確かに、30分から1時間をとって、
会議室で部下に対してコーチする、というのもありだと思います。

しかし、ここでおすすめしたいのは、
こうしたフォーマルなコーチングも良いのですが
もっと、カジュアルなコーチング。

部下とちょっとした時間のちょっとした会話、
5分でもいい。いや、3分でもいい。

ほんのちょっとの時間のその会話自体が、
今より、ちょっと「コーチングカンバセーション」となれば、
部下の可能性はうんと広がるはず、だと思うのです。

ある製薬会社の営業所長Aさんは、いわゆるネイティブコーチ。
部下であるMRたちのモチベーションと望ましい行動を引き出すのがうまく、
営業所の成績は、常にトップクラスです。

Aさんの流儀は、
「毎日3人の部下を決めて、朝と夕に3分間コーチすること」。

MRが営業先へと外出する直前に、A所長が部下に声をかけます。

「今日の営業の戦略は?」

この突然の問いかけに、はじめは部下もびっくりしたそうですが、
今では、もう定番のコーチングタイムのスタートです。

「今日、営業としてのお土産は?何を持ち帰ってくる?」

所長の小気味いい問いかけに、部下は考え、答え、
話しながらまとまってきます。

今日一日の自分の行動をイメージし、
エネルギーチャージして出発進行!

3分間後には、

「じゃ、いってこいや!」

「いってきます!!!

A所長は、言います。

「答えがまとまっていなくてもいいんです。
答えなんて、話しながらまとまるものですから」

この3分間コーチの効能は、彼自身が一番知っているようです。

そして、朝、コーチをした部下が営業から帰ってくると
A所長はすっと近づいて、

「どうだった?朝の戦略はうまくいったかい?」

「点数つけるとすると何点?」

「明日に活かせるものは何だい?」

と投げかける。

こうしたコーチングのことを、
「ブックエンディング(本立て)」と呼びます。
部下の行動が寝転ばないように、
部下の行動の直前と直後にコーチングで挟み込む。

そのことにより、この営業所のMRたちの行動は、
しっかりと積み重なり、業績に結びついているのでしょう。


司と部下という構図ではなく、同僚間でコーチングをすることを、
ピアコーチングといいます。

実は、私の所属するコーチ・エィでも、ピアコーチングを実践しています。
年齢、経験に関係なく、お互いが声を掛け合ってコーチしあう。

始業前の3分間、朝礼の時間を使って、その日、居合わせたスタッフで
二人組を作って、コーチングをしあうこともあります。

「今日一日を、最高の一日にするために、何をしますか?」

「昨日までの自分よりも1%でも成長するために、
今日、何をチャレンジしますか?」

このように相手から問われることで、
一日をイメージしてから仕事をスタートさせることができ、効果絶大です。

実践的なコーチングには、堅苦しいルールなどはありません。
実際に、皆さんも、物理的にまとまった時間も
そんなに取ることはできないでしょう。

1時間のコーチングをじっくりするのもいいですが、
3分間コーチを20回すると、もっと、もっと、効果は高いでしょう。


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CTP(コーチ・トレーニングプログラム)では、
コーチングのロールプレイを繰り返し実践することにより、
現場での「3分間コーチ」が、ごく自然にできるようになります。

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