Coach's VIEW

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コーチからの定期便

1997年に最初にコーチングのトレーニングを受けたとき、
私たちの最大の関心は、
「いかにしてコーチングが早くできるようになるか」ということでした。

講師として来日したゴールドスミス氏が
コーチングのデモンストレーションを見せてくれたのですが、
実際に自分がコーチをする番になると、相手のパフォーマンスを上げたり、
何か新しいことを発見できるようなやりとりを行うのは難しかったものです。

そのとき、ゴールドスミス氏が言ったことは、
今でもコーチングを学ぶ人に伝え続けられています。

それは、次の三原則です。

< コーチングを効果的に身につけるための三原則 >

1.コーチングの原理やスキルを学ぶ(頭で理解する)
2.コーチする相手を決めて実際にコーチングする(実践する)
3.自分がコーチングを受ける(体験する)

私はすぐに同僚とコーチングを3ヶ月にわたって受ける約束を交わし、
仕事の取り組みをテーマにコーチングを受けました。
そのときに実感したことや学んだことを上回ることはいまだありません。

今も私にはコーチがついています。

彼女は、国際コーチ連盟のマスター認定コーチであり、
コーチングファームのエクゼクティブコーチでもある有能なコーチです。

今彼女とは、興味深い取り組みをしています。

「今日のあなたは何点ですか?」

これは、毎日彼女から送られてくる定期便です。
午後5時になるとこの定期便がメールで届きます。
すると、私は一日を振り返り、10段階の中から適切な点数をつけ、
その根拠についてのメモを書いて送ります。

たとえば・・・

7月7日 7点
今日は、朝一番にやろうと決めたことの7割を達成した。

7月8日 4点
一日、追われる仕事で終始してしまった。

7月9日 9点
新しいテクノロジーに触れた。今後取り組める可能性を見出せそう。

このように毎日のほんの3分程度なのですが、一日を振り返る時間を持つと
自分が何に取り組んできたかに意識を向けることができ、
毎日の自分の歩みを確認することができます。

コーチとは、書いたことについてまとめて1週間を振り返り、話をする時間を持ちます。
すると、これもまた、自分の傾向がわかって面白いのです。

私の場合は、何か新しいことに触れたとき、チャレンジが求められたとき、
必要に迫られて何かせざるを得なかったときに、
意欲が高まることが明確になりました。

逆に、ルーティンに追われるとき、細かい作業をするとき、
人と人との調整に力を使わなくてはならないときに
意欲が低くなる傾向があることもわかりました。

この定期便は、夕方ではなく、朝に送ってもらったこともあります。

「今日は何点にしますか?」

毎朝この質問が来ると、「10点」と自動的に書いてしまいます。
毎日10点と書いてもあまり気づきや意味がないので、
このやり方はどうだろうと疑問に思い、
同僚のコーチとこのことについての話しをしました。

するとその人は、
「そうですか。私だったら、1週間の全体の行動計画を元に、
 今日は何点にしよう、とペース配分します」
と言いました。

私にはエネルギーのペース配分という概念がなかったものですから、
この会話はかなりびっくりしました。

それ以降、「体調や意欲のペース配分」というボキャブラリーができました。

私にとって、意欲とは「毎日とにかくフルスロットル!」。
なので、ときどき、体調を壊したり、
無理したりするのだということに気づいたわけです。


コーチングをするというと、高度な質問をしたり、相手をはっと気づかせるような
フィードバックをするなどのイメージを持つ方がいらっしゃいますが、
何かに気づいたり、自分が持っている前提や思い込みに触れるというのは、
このように実にシンプルなことによって起こるものです。

毎日、自分について振り返るようなシンプルな問いかけに答える。
そして、それについてコーチと話す。

コーチングのスキルを早く身につけるには、
この構造が一番効果的だと感じています。


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コーチングスキルのトレーニングは、
相手の意識を高めるコミュニケーションを作り出すためのトレーニングです。

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