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どうしているかな、と思って

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私は、コンサルティング業界からコーチ業界に転職して8年半になります。

転職した当時は、日々、新しい環境に慣れるのに四苦八苦していました。入社半年もして、月の3分の1は出張、ということも多くなってきた頃です。冬の北海道に出張して仕事を終え、ひとりで食事を済ませ、ホテルの部屋に戻ったところでした。

携帯電話が鳴りました。同僚のIさんからでした。

「あ、中島さん。いま北海道だよね。どう、天気は。寒い?」
「食事は、もうとった?」
「......ほうほう、時計台の......なるほど、なるほど」

しばらく、そうした内容の会話が続きました。ひとり、冬の北海道のホテルの中にいた私にとっては、ちょっとほっとする瞬間でした。

5分くらいこうした会話が続いたでしょうか。その話の最中、実は私の頭の中で、むくむくとこんな気持ちがわきあがってきました。

(......何か、仕事の話かな?)
(......職場で何かあったのかな?)

仕事の話がいつ来るか、いつ来るか、と思っているうちに、Iさんは言いました。

「......ということで。じゃあね」

びっくりしました。この電話は、用件は何? どういうこと?

一気に頭の中が「?」マークでいっぱいになりました。

「え......? Iさん、この電話ってそれだけ?」

Iさんは言いました。

「いやぁ、中島さんがどうしてるかな、と思ってさ。というわけで、じゃあね」

電話を切った後、何だか、これまでの人生の中で、感じたことのない気持ちでいっぱいになりました。8年半経った今でも、忘れることのない出来事です。

人にとって、食欲、睡眠欲、と同じくらい大きなものは、「承認欲」ではないでしょうか。太古の時代から、人は仲間と協力し合って、大きな敵と闘って生き抜いてきました。そのため、チームや組織に所属し、気になるのは「俺は、仲間として受け入れられているか?」ということです。

もし、受け入れられていないメッセージが少しでもあると、人は、そわそわしてしまいます。なぜなら、それは、太古の時代だったら、生存することさえ危ぶまれることだからです。

「君は、私にとって、大切な存在だ!」
「君は、私たちの仲間だ!」

そんなメッセージを交わし合っている職場と、そうでない職場とでは、パフォーマンスに大きな違いが出ることでしょう。

みなさんの職場では、いかがですか?


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※コーチングによる人材開発によって、風通しのいい風土を作り、組織を活性化させることが可能です。
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