Coach's VIEW

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トレーニングを続ける

ある販売会社のマネジャー、Aさんの話です。

コーチングを学んで2年間、
Aさんにとっての最も大きな成果は、
「自分の部下から一人の離職者も出していない」こと。

何が変わったのかをたずねました。

Aさん曰く、

「ああしろ、こうしろと言わなくなった」


以前は、自分のセールスの経験に基づいて
アドバイスすることがほとんどだった。
部下から現状を聞くとすぐに、
ああしろ、こうしろ、と言っていた。

しかし、現在は、
相手の状況にあわせてコーチングできるようになった。

優秀な部下にはコーチング、
経験の浅い部下にはティーチング、
と使い分けることができるようになったことが大きい。


かつてAさんは、会社で実施している多面評価の課題として、
「人の話を聞かない」ことを毎年指摘され、
上司からは面談のたびに、部下の話をもっと聞けと言われていました。

しかし、Aさんにとってみれば、言われていることは理解できても、
実際にはどのようにしたら「人の話を聞く」ことになるのか、
そのやり方が分からない。
何をどう変えればよいのか分からない。


それがきっかけで、Aさんはコーチングを学びはじめました。

トレーニングを通じて、理解と実践を繰り返していく中で、
自分は、人の話を聞けないのではなく、話させることができない、
つまり、問いかける力、質問力が弱いことに気づきます。

「うまく問いかけることができれば、
相手が話し、自分は聞き役にまわることができる」

Aさんは常に質問集を持ち歩き、
部下との面談はもちろん、日常の会話の際にも
さまざまな問いかけを試したそうです。

その結果が、冒頭の成果につながりました。


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今年の8月、CTPに参加中のマネジャー100人それぞれの
部下の方たち約500人に、
以下のような項目でマネジャーに対するリサーチを行いました
(参加者本人ではなく、参加者の部下の方に回答していただきました)。

・相談しやすい雰囲気作り
・聞き切る力
・関わる機会作り
・変化に気づく力
・気づきを促す質問力
・提案、フィードバック力
・行動へつなげる質問力
・適切な承認力

そして、そのリサーチ結果が先週まとめられました(回答率79%)。


まず、すべての項目の評価が、
CTP参加前に比べ、10%~27%上昇(平均17%)。
特に、質問力に対する評価は22%~25%上昇しています。


また、部下の方の自己評価にも変化が見られ、
「自律積極性」「貢献実感」がそれぞれ約10%上昇。

上司のコミュニケーションスキル全般の上昇に連動して、
部下の仕事に対するコミットメントや意欲が向上するという結果が
得られました。


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スキルを知らなければ、そのスキルを使うことはできません。
聞き方を知らなければ、聞くことはできない。
褒め方を知らなければ、褒めることはできない。

しかし、スキルを知れば、それを使うことができる。

スキルはトレーニングによって必ず上達します。
ゴルフやテニス、英会話と同じで、トレーニングすればその分だけ上達する。
逆に言えば、トレーニングしなければ上達することはありません。

「私たちマネジャーは、絶えずコーチのトレーニングをし続ける必要がある」
ということを、私はAさんの成果を振り返りながら改めて実感しています。

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