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バーディーの理由

とうとう開眼しました。
しかも突然。
ゴルフを始めて十数年、スコアは100前後をずっとうろちょろしていました。
ところが直近のスコアは、85、83、91。
しかも、毎回のラウンドでバーディーを取っている。
何が起こったのか?
自分にとっても、この急激な変化はとても興味深いことです。
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開眼したのは8月下旬。このコラムの執筆者の一人、伊藤と一緒にラウンドした後、
二人で練習場に行ったのがきっかけでした。
伊藤のドライバーの飛距離は、一般的なゴルファーの中では群を抜いています。
右から左にきれいな弧を描いて飛ばすドローボールが得意で、
260~270ヤードも飛ばすのです。
その打ち方を教えてもらうことになりました。
「右を向いて」
「はい、このくらいですか?」
「もっともっと右を向いて」
「えっ、そんなに? 怖くて向けないですよ」
「いいからもっと右を向いて。練習なんだから」
日ごろやらないことをやろうとするのは、勇気が要ります。
ところが、こうして、うまくいったり、うまくいかなかったり、を
30分ほど繰り返したあたりからでしょうか。
少しずつコツが分かってきて、意識してボールを曲げられるようになってきました。
ということは、逆に曲がっていくフェードボールも練習すれば打てるようになるはず。
次の休みの日に、一人で家の近くのゴルフ練習場に行き、
今度は、左から右に曲がっていく、フェードボールの練習。
フェードボールのコツも少し分かってきました。
それ以降、ラウンド中のすべてのショットの前に、右に曲げるのか、左に曲げるのか、
必ず、イメージを作ってから打つようにしたのです。
曲がり度合いをコントロールするにはまだまだ時間がかかりそうですが、
少なくとも、どちらに曲がっていくかは、
かなりの確率でコントロールすることができるようになっている。
「ゴルフはボールをコントロールするゲームだ」
誰の言葉かは忘れましたが、有名なプロゴルファーの言葉だったと思います。
それまでの私は、ボールをまっすぐ打つことばかりを考えていた。
ところが、ボールは右に行ったり、左に行ったり、
思いがけない飛び方をするわけです。
「あ、右だ!!」「うっ、左の林に入っちゃった!!」「あー、OBだ!」
で、どうしてそうなったかが分からない。
ところが、意図的に曲げる練習をし、毎回どちらに曲げるのかをイメージすることで、
予想外の飛び方をすることがなくなった。
失敗したとしても、その理由が前よりははっきりと分かるようになった。
以前より、格段にボールをコントロールできるようになってきています。
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コミュニケーションにも同じことが言えると思います。
どのようなコミュニケーションをとるのか、イメージを持ってから話し始める。
どのような雰囲気の会話にしたいのか、意図を持って話し始める。
やわらかいイメージ。
厳しいイメージ。
楽しいイメージ。
最初にイメージを明確に作り、そして、繰り返して実践することで、
かなりの確率でコントロールできるようになるのではないかと思うのです。
ゴルフも、そしてコミュニケーションも......。
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