Coach's VIEW

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生命力が強い人

先日、「リーダーシップアセスメント」のレポートが上がってきました。
これは、コーチング研究所LLP※が開発したもので、
私が仕事上関わっている人たちへの影響力を
「リーダーシップを発揮しているか」という切り口で可視化し、
私の強みや課題を明らかにするものです。

「平野さん、これです」

研究所の男性スタッフが目の前に出してきたのは、約30ページのレポート。
上司、同僚、部下に対して私がどのような影響を与えているのかを見るのですから、
はやる気持ちと見たくない気持ちとが入り混じる瞬間です。

2人のスタッフはそんな私の表情を見ながら、穏やかな笑みをたたえつつ、
内容についての説明を淡々と伝えてくれました。

「平野さんは、全体的に信頼関係は高いですね」

「仕事の能力については、平均と比較して低めに出ています。
 ご自分もそう思っているし、周りの人たちもそう思っています」

「仕事のスピードについてはご自分と周りの認識に大きなギャップがありますね。
 平野さんはできていないと思っていますが、周りは平均より高めの
 数値を挙げています」

音楽のように説明を聴きながら、
頭の中では、すでにありとあらゆることを考え始めていました。

「やっぱりそうか。
 仕事の能力については、とにかく自分でどうにかしようとしているから
 低い数値が出るんだな。でも周りへの影響を考えたら、自分でやるのではなく、
 できる人と組んでその人にやってもらえばいいんだ」

「信頼関係を築く能力が高いのなら、もっと人に働きかけたり
 協力したりする体制を作ればいいんだ」

「仕事のスピードに関しては、自分では遅いと思っていたけど、これは
 自分への期待値が高いから? もう少し自信を持って、自分の強みとして
 認識してもいいのかも......」

などなど。

たった10分間のセッションでしたが、
自分の枠組みや自分と周りとのギャップが明らかになることで、
自分の中に物語がどんどん生まれ、
進むべき方向性が広がっていくのを感じていました。


同じようにアセスメントをもらった同僚のAさんも、
頭の中の声をアウトプットせざる得ない状態になったようで、
その晩、研究所のスタッフBさんと3人で、
業務が終わってからも話していました。

部下との関わり方について話をしているうちに
「自分はどういう人と仕事がしやすいと思っているか」という
話題になりました。

過去、北極の調査にも行ったことのあるAさんはなんと

「生命力が強い人」

思いもかけない表現にびっくりしました。Bさんは

「一生懸命な人」

たしかに、元銀行マンの彼からも一生懸命な感じが伝わってきます。
ちなみに、私は

「気が利く人」

お互いにどんどん先回りしながらスピードが増していく関係を持てる人とは、
仕事のしがいがあります。

そんな話をしているうちに気づいたら、2時間半も経っていました。
自分のことを知り、相手のことを知るというプロセスは時を忘れるほど
熱中します。

ちなみにAさんにとって私は生命力の高い人の一人だそうです。
それを聞いてから、Aさんに対して、対立することを恐れなくなり、
言いたいことを言えるようになりました。

私のリーダーシップへの取り組みが新たに始まったように思います。

※コーチング研究所LLPは、株式会社 コーチ・トゥエンティワンと
 株式会社 コーチ・エィが共同で出資している研究機関です。

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