Coach's VIEW

Coach's VIEW は、コーチ・エィのエグゼクティブコーチによるビジネスコラムです。最新のコーチング情報やコーチングに関するリサーチ結果、海外文献や書籍等の紹介を通じて、組織開発やリーダー開発など、グローバルビジネスを加速するヒントを提供しています。


自分が組織にどのような影響を与えているか、知っていますか?

自分が組織にどのような影響を与えているか、知っていますか? | Hello, Coaching!
メールで送る リンクをコピー
コピーしました コピーに失敗しました

私は、今、コーチング研究所LLP(※1)で開発した「リーダーシップアセスメント」に自ら取り組んでいます。

これは、69問の質問に自分で答えると同時に、私にとってのステイクホルダーにあたる、およそ10名のスタッフにもつけてもらい、自己評価と他者評価を参考に、自分自身のリーダーとしての能力を棚卸しするプログラムです。

要するに、リーダーシップに関する「360度フィードバック」です。

リーダーシップアセスメントは、ビジョンの提示力や、信頼基盤、関係構築の能力、アカウンタビリティなどのいくつかのカテゴリーに分かれています。

現時点で、自分自身への評価は終わりましたが、他の人からの評価はこれからです。
 
どんな結果になるか、楽しみです。

360度フィードバックを基にしたコーチング

ところで、コーチングが企業内でどのように始まっていったのかについては、いくつかの説がありますが、その中のひとつに、360度フィードバックを基にしたコーチングがあります。

360度フィードバックは、当初、能力評価システムとして運用されました。しかし、エグゼクティブやマネージャーが、その結果だけを見せられることで、ショックを受けたり、混乱に陥ったりすることがありました。

そこで、360度フィードバックのシステムを、評価としてではなく、行動変容のためのデータとして使うという試みが始まります。

そもそも、リーダーが成長し、変化していくためには、フィードバックというものに対する理解が必要です。また、フィードバックを活用する能力、さらには、自分からフィードバックを取りに行く能力も求められます。

リーダーシップ開発には、レベルがあります(Leadership Development Level)。そして、そのレベルに応じて、フィードバックの受け取り方、解釈の仕方は異なります。

物事を考えるときに、単に、「白か黒」「勝ちか、負けか」などの二極化しかできなければ、自分が受け取ったフィードバックに対しても、正しいか、間違っているかに終始し、行間を読んだり、繊細な部分を解析したりすることはできません。

まず必要なのは、フィードバックについての理解です。リーダーシップのレベルが上がるにつれ、フィードバックというものへの理解が深まり、それを効果的に使うことができるようになります。

自分のパフォーマンスを測定し、自分が周囲に与えている影響を知る

私は、自分のクライアントにも、フィードバックを理解してもらうために、いくつかの本を紹介しています。中でも、『したたかな生命』(※2)はとても効果的な一冊です。

「自分のパフォーマンスを測定し、自分が周囲に与えている影響を知る。
ときに好き嫌いも含めて、自分に対して他人が思うことにオープンでいられる状態。それは決して、まわりが思うことを無視したり、鈍感になったりすることではなく、フィードバックに対して、単純な『刺激-反応』のパターンを繰り返さないでいられるようになる」

このように、リーダーシップの発達レベルを上げていくことが、コーチングのテーマとして求められます。リーダーとしての成長には、単に、リーダーとしての能力を上げることだけではなく、自分の評価に関係する情報との関わり方についての理解も深める必要があるのです。

自分のパフォーマンスやまわりへの影響に関するデータを解析し、行動やコミュニケーションを見直し、身につけるべき能力を選び出すなど、コーチをつけることによって、360度フィードバックシステムは、さらに効果的に使われるようになります。

リーダーや、リーダー候補が、組織にどのような影響を与えているのか、また、彼らがどんな変化を起こしているのか、部下からの評価、上司の評価、これらのデータを解析し、今後のリーダーシップ開発に生かすことができるからです。

対象者に結果だけを突きつけるのではなく、コーチとともにデータを解析し、リーダーシップ開発レベルを高めるため、360度フィードバックシステムは、欠かすことのできないシステムなのです。

ところで、Bersin & Associates 社が2009年12月に発表した論文『2010年の企業教育とタレントマネジメントの予測』(※3)によると、組織の中のリーダーシップ・ギャップがますます広がってきている要因として、一つには、シニアレベルの大幅な解雇、それに加え、エグゼクティブ層に対するリーダーシップ開発プログラムの欠如による第一線のマネージャー層の著しい自信の喪失が課題に挙がっています。

リーダーシップ開発は急務なのだと思います。

この記事はあなたにとって役に立ちましたか?
ぜひ読んだ感想を教えてください。

※1 コーチング研究所LLP
株式会社 コーチ・トゥエンティワンと株式会社 コーチ・エィが共同で出資している研究機関。

※2 『したたかな生命』
北野 宏明 (著), 竹内 薫 (著)
ダイヤモンド社刊

※3 『2010年の企業教育とタレントマネジメントの予測』
Enterprise Learning and Talent Management 2010
Predictions for the Coming Year
Josh Bersin
December 2009
Copyright Bersin & Associates Research Report

※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。転載、その他の利用のご希望がある場合は、編集部までお問い合わせください。

組織へのコーチング導入や組織リサーチ、グローバル人材の開発についてなど、お気軽にご相談ください。

メールで送る リンクをコピー
コピーしました コピーに失敗しました

関連記事