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「コーチング」は万能か?

「コーチング」は万能か? | Hello, Coaching!
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先日、ある大手メーカーの役員の方から相談を受けました。

「社内でコーチングをもっと広めたいと思い、説明会を開いたのですが、その中で、幹部のひとりが、『最近よくコーチングって話を聞くけど、本当に役に立つのかね? だいたいコミュニケーションを全部コーチングに変えるのは無理なんじゃないの?』と言うんです。コーチングってけっこう誤解されていますよね。この先、私はどうしたらいいんでしょうか?」

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ツイッターを始めて2カ月ほどが経ちました。

新しい形のソーシャルネットワークがどのようなものなのか知っておきたい、今後のビジネスに与える影響や可能性を知っておきたい、と思って始めたのですが、現在のところ、情報収集という点においてとても役に立っています。

コーチングについての情報も豊富に流れています。ところが、読んでいて感じるのは、コーチングに対する誤解や誤用がなんと多いこと。

コーチングは、10年前とは比較にならないほど知られてきていることは確かで、それはそれでとてもうれしいことではあるのですが、必ずしも正しく理解されているとは限らない。拡大解釈されていたり、一人歩きしていたりするところもあるようです。その中でも、よくある誤解や誤用は、

「コーチング=褒めて育てる」
「相手の話を全部聞く」
「セラピーやヒーリングとの混同」
「コーチングで全部解決できる」
「叱ってはいけない」
「時間がかかる」
「コーチが解決しようとする」
「意図的に導く」
......などなど。


特にマネジメントにコーチングを取り入れる場合、「コーチングが万能で、全部をコーチングに変えた方がよい」というようなニュアンスが間違って伝わってしまうと、

「そんなことができるわけない」
「現場を知らない」
「役に立たない」

など、冒頭のような反発が起こるのだと思います。けれど、それはもったいない誤解です。


本来、マネジメントは指示もしなければならないし、ティーチングも必要、飲みに連れていくこともあるし、叱咤激励をしたほうがいいときだってある。ポイントは、それだけではなく、そこにコーチングがプラスされることが重要だということ。コミュニケーションの中で、自在にコーチングを使い分けられるということが、結果として大きな違いを生むということなのです。

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結局、冒頭の役員の方の相談には、こうお答えしました。

「確かにすべてを変えようとすると反発を招くかもしれませんね。みなさん、少なからずこれまでのマネジメントにプライドを持っていらっしゃるでしょうし。でも、『コーチングは決して万能ではない、けれど普段のコミュニケーションにプラスし、さらに使い分けることで、強力な武器になるコミュニケーションスキルです』と伝えてみたらどうでしょうか。コミュニケーションを全部変える必要なんてないんです。ただ、部下育成、信頼関係の構築、クロージング......など、もっともふさわしいタイミングで使える強力な武器が増える。そのことは多くのリサーチでも実証されていますから」

いざというとき、コミュニケーションにおいて揺ぎない後ろ盾があるということ。

みなさんは、コミュニケーションにおいて、どんな武器を持っていますか?

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