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ニュース話法とタイプ分け

ニュース話法とタイプ分け
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受験者数が20万人を突破したことを受け、私も「タイプ分け™」のテストを久しぶりにやってみました 。

プロモーター  ......58点
コントローラー ......50点
アナライザー  ......44点
サポーター   ......38点

プロモーターの要素が一番高いのですが、 コントローラーの要素も比較的高い。「プロモーター・コントローラー」とでも呼べるタイプです。

特に、普段は会社を引っ張っていく役割のため、コントローラーとしての顔が多くなります。立場上、部下から報告や相談を受ける機会が多いわけですが、その中には、良いニュース、悪いニュースにかかわらず、 自分にとってわかりやすく、気持ちよく聞ける報告と聞けない報告があります。

コントローラーの要素が強い私としては当然のことながら 「まず結論から話される」ということが望ましく、 順序だてられて結論が最後にくるアナライザータイプの方によく見られる報告は、少し苦手です。気遣いが強く、「大変申し上げにくいことなのですが......」「お伝えしようかどうか迷っているのですが......」といった、前置きが長いサポータータイプに見られる話も、聞くのに努力が要ります。

例えば、電話の第一声で、「今、お話ししても大丈夫ですか?」と聞かれる。もちろん気を遣ってくれているのでしょうし、ビジネスマナーとして相手の状況を伺うのは大切なことだと頭で分かってはいます。しかし、心の中では「電話に出たんだからOKに決まっている! 早く話してほしい!」ぐらいのことを平気で思ってしまっている自分がいるわけです。

プロモーター要素の強い自分が言うのもなんですが、情報が散らばるようなプロモータータイプに見られる報告も聞きづらいときがあります。

極端なコントローラータイプに見られる、結論だけであまりに情報が不足している報告も それはそれで物足りなさを感じる。それじゃあ、自分は結局、どんなタイプの人の話なら聞いていて、満足できるのだろう?みんなにどうやって話してほしいのだろう......?

メディア対応のトレーニングで学んだ2つのポイント

そう考えていて思い出したのが、先日受けた、メディア対応のトレーニングでのやりとりです。

会社のトップとして、新聞や雑誌、TV等の取材に的確に対応するためのトレーニングであり、具体的なゴールは、「こちらが伝えたいメッセージを、記者の取材を通して、視聴者・読者に的確に届けられるようになる」
こと。そのためには、記者の取材にうまく対応しなければならないわけで、失敗すれば、こちらの意図しない、全く別物の記事となって報道されることもあります。

トレーニングで学んだポイントは、大きく2つ。

  • もっとも伝えたいキーメッセージを最初に話す
  • できるだけ5W1Hを交えて話す

ということでした。

新聞記事のリード文がお手本で、このスタイルを「ニュース話法」と呼ぶのだそうです。

When  ...いつ
Where  ...どこで
Who   ...誰が
What  ...何を
Why   ...なぜ
How   ...どのように

では、どのようにこれらを交えると、こちらのメッセージを的確に伝えることができるのでしょうか?

例えば、「コーチ・エィはどのような会社ですか?」という質問に対して、ニュース話法で答えるとすると次のようになります。

「コーチ・エィは、組織の生産性を高めることを目的に『コーチング型リーダー』の育成という手法を通じて、マネージャーのリーダーシップ開発を行っています。1997年に設立され、本社は東京千代田区の九段南にあります」

このように答えると、相手はこの内容に沿って質問をつくるので、こちらの伝えたい話の軸からぶれにくいということなのです。

この「ニュース話法」は、上司への報告の際、とても有効です。特にコントローラー傾向の強い上司にはうってつけの話法だといえるでしょう。

「コントローラータイプには結論から話す」。この対応方法は鉄則ですが、そこにニュース話法の5W1Hを付け加えて話すことで、相手はより受け取りやすくなります。

部下からの報告をどう受け取るのか

もし、あなたが、部下から次のような報告を受けたら、どう感じますか?

「A社の件ですが、先方からもう一度話したいと申し出がありました。昨日、担当のBさんに私から電話をして確認したところ、具体的な使い方に不明な点があるので、来週中に上司の方と一緒に弊社を訪問し、打ち合わせをしたいとのことでした」

まず最も伝えたいこと、結論があり、それを補足する形で5W1Hが話されているため、私にとっては、とても受け取りやすい話し方です。

コントローラータイプは、自分で判断したいという価値観を持っています。相手の結論に対して判断を加えたいわけですから、最初に結論を話してもらえば、 そのあとの情報は判断する材料として聞くことができるわけです。これがいわゆる逆の形、起承転結という流れを取ると、 話の最後にならないと何を判断していいのか分からないので、いらついてしまうことがあります。「いいから、早く結論を言ってくれ」と。

私自身は、「タイプ分け™」の考え方を知ってから、 アナライザータイプの部下から聴く起承転結の話を、だいぶ待てるようになりました。

また、サポータータイプの部下の気遣いに対して、これまでに比べて「ありがとう」と意識的に承認することができるようになっていると、自分では思っています。

その一方で、部下に対しては、コーチングの基本のひとつ、「双方向のコミュニケーション」という考えをベースに、「私もなるべく聞くようにするけど、あなたも私に合わせて報告してね」 と日々思っているわけなのです。

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