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コーチングの成功ポイント

コーチングの成功ポイント | Hello, Coaching!
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コーチングは、ビジネスシーンだけでなく、これまでにさまざまな分野で、その成果が伝えられてきました。


例えばここに、ひとつの興味深いレポートがあります。アメリカにある医療系NPOによる、患者に3年間メディカルコーチングを行った際に見られた変化について書かれたレポートです。

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●メディカルコーチングの目的
医療専門チーム、およびコーチが、患者に対して介入することで、患者の自己管理を支援する。また、患者の血糖値、コレステロール値を低下させる。病状の進行を遅らせる。

●調査対象者
糖尿病の初期~中期の患者(コントロール群 2,500人/介入群 250人)

●方法
・介入群に対して、毎週1回10分のコーチングを8週間実施。その後、月1回のメインテナンスを行う。
・3年間にわたり、コントロール群と介入群の血糖値、コレステロール値を比較。
・患者の担当医と、国際コーチング連盟(ICF)認定のプロフェッショナルコーチ以上の資格保持者とがチームを組み、メディカルコーチングを展開

●10分間コーチの主な内容
・病状の確認
・ゴールの確認
・ゴール達成のイメージ、障害、心配事など
・次の1週間のゴール設定

●3年後の実施結果
・コントロール群に比べて、介入群は血糖値、コレステロール値ともに低下。
・コントロール群に比べて、介入群の患者満足度は向上。
・特に注目すべき点は、医療費について。コントロール群は7.6%増大したのに対し、介入群は11.5%減少した。

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これは、コーチングの実効性や可能性を物語る貴重なレポートです。

この取り組みが成功したポイントは大きく2点。

1.長期的、継続的なコーチングを実行したこと
2.1週間に10分間という時間を限定し、シンプルな問いかけを続けたこと

こうしたポイントを抑えながら、医師による治療とは別に、プロフェッショナルコーチによるコーチングが行われたのです。


コーチングをビジネスマネジメントの現場で導入する場合、一般的に次のような方法がとられています。

●社外からコーチを招聘するか、自社に社内コーチを育成することで、マネージャーや上司とは別の人が、部下に継続的にコーチする

●上司自身がコーチングを学び、部下に対して継続的にコーチする

そして、いずれの場合にもいえるポイントは、継続的にコーチングを行うということ。1週間に10分から30分程度の時間を決めて、シンプルな問いかけを続けていくことが、成功への道なのです。

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コーチ・トゥエンティワンは、今年9月から、Jリーグ「ヴィッセル神戸」のオフィシャルコーチングパートナーとして、叶屋社長や和田監督率いるコーチ陣の方々に対して、コーチングをベースとしたサポートを行っています。

シーズン終盤を迎えていたこともあり、ここまでは主に弊社コーチが、継続的に対象者の方々に対して、コーチングを行ってまいりました。

そして、先週末に行われた今シーズンの最終戦で4-0の勝利。奇跡の逆転J1残留を決めました。

今後は、組織内でさらにコーチングの文化が根付くよう、対象者の方々には、引き続きコーチング、およびコーチングトレーニングを重ねていただく予定です。

「コーチング」が、プロサッカーチームにおいていかに効果を発揮していくのか。来シーズン終了後には、レポートとしてまとめたいと思っています。

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