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祈るのではなく、意図的に創る

祈るのではなく、意図的に創る | Hello, Coaching!
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いま、多くの企業は、組織のダイナミズムをドライブさせていきたいと思っています。

私がエグゼクティブ・コーチングを担当させていただいている経営者の方々は、理想の組織像として、主に次のような組織を挙げていらっしゃいます。

「いままでの枠をぶち壊して、新たなイノベーションをバンバン起こせるような組織にしたい」
「言われたことを受身で行動するのではなく、自律した主体的な社員の集まった組織にしたい」
「自分のことで精一杯で他人に興味を持たない組織ではなく、お互いに関心を持ち、指摘をしあう刺激的な組織にしたい」

ところが、そうした理想のダイナミズムへとドライブさせていくリーダーは足りているのか、と彼らにうかがうと、ほとんど方が「全く足りていない」と、おっしゃいます。

皆さんの会社や職場ではいかがでしょうか?

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ある大手通信システム企業の経営者の方はこう嘆いています。

「先日、本部長をはじめ部長、課長、幹部を集めて合宿を行いました。そこで、ある課題について部門ごとに検討させたのですが、そのときは、各本部長がきちんと仕切って、議論を交わしていたんです。しかし、その後、本部長クラス、部長クラス、と階層別に分けて議論したとき、驚くべき現象が起きました。
 
仕切ろうとする者がひとりも出てこなかったんですよ。たったのひとりも......。

下を向いたり、譲り合ったり、挙句の果てには『お前がやれ』と新任に押し付けたり......。呆れたというより、この先の危機感を感じましたね」


また、ある大手金融企業の経営者は、こんな場面に遭遇したそうです。

次世代幹部候補対象のリーダーシップ強化トレーニングの開会に先立ち、挨拶をしたときのこと。
 
「君たちの中で、リーダーになりたい人は手を挙げて!」と聞いたところ、参加者が20名いたにもかかわらず、ひとりも手を挙げなかったそうです。

このような状態で、組織は理想のダイナミズムにたどり着くのでしょうか?
このような状態で、組織は世界と互角に戦うことができるのでしょうか?

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私のクライアントだけでなく、日頃、お話をさせていただく経営者の方々は、口々におっしゃいます。

「そもそも、いままでは、そういうリーダーが育つ環境があった。たとえば、昔は、いまよりも牧歌的。多少の失敗があっても許される環境だった。それに、しっかりと階層化されていて、少し上の人たちのやることをモデルにすることができた。

でも、最近は、フラットな組織ゆえに『メンバー』としての時期が長く、ある日を境に、いきなり大人数の部下をもつようになる。

また、かつては社内旅行、飲み会、運動会、部活動、寮生活などの中で、仕事以外にもリーダーシップを鍛えられる場面があった。でも、いまは、それもない。横のリーダーシップを鍛える場面がほとんどない。それなのに、いきなり仕事の場面でリーダーシップの発揮を求められるわけだから、尻込みするよね。

当然、課長を集めて、『部門横断型のプロジェクトをやるから、リーダーになりたい奴いるか?』と聞いても手が挙がるようなことはない。

いま、昔のように『自然発生的にリーダーが生まれる』なんて、期待してはいけなくなっているんだよな......」

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多くの経営者が危機感を持っていることのひとつは、「現在、日本にはリーダーシップを自然に鍛えてくれる環境が激減している」ということ。
 
自然発生的にリーダーが生まれることを祈るのではなく、意図的にリーダーシップを鍛えるストラクチャーを開発していくことが急務になっています。

 
コーチング研究所(CRI)がかつて行ったリサーチ(対象:WEEKLY COACH読者)によると、「あなたの会社に、次期リーダー候補のリーダーシップを育成する構造はありますか?」の問いに対して、「Yes」と答えた方は26%にとどまっています。

皆さんの会社は、そういうリーダーを育成、開発するストラクチャーをお持ちですか?
そして、その仕掛け、仕組みで、真のリーダーは、意図通りに生まれていますか?

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