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人の行動は、『問い』の方向に流れていく

人の行動は、『問い』の方向に流れていく | Hello, Coaching!
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東日本大震災から一ヶ月。

私は、この一ヶ月間にお会いした経営者やリーダーをはじめとした
様々な方に、次のような問いかけをしてきました。

「地震が起きた瞬間から、現在に至るまで、
 自分自身の頭の中に流れた『問い』には、
 どのようなものがありましたか?」


地震が起こった瞬間に一番多かったのは、

「えっ、大丈夫か?」
「ここは、安全か?」

といった問いでした。
まずは、自らの安全を確保しようとするための「問い」が流れるようです。


その直後から、首都圏を中心に、交通機能が完全に麻痺しました。
お会いした経営者やリーダーの方は、首都圏にお住まいの方が多いことから、

「電車はいつ動くのか?」
「今日は、家に帰れるのか?」

こうした「自分」を中心とした「問い」が、
しばらくは頭の中を占拠したとのことです。


ここまでは、皆さん、
比較的同じような回答をいただきました。

この後からです、大きな違いが生まれてくるのは。


様々な方からお話を伺った結果、
この後の「問い」の内容が人によって全く異なっていたのです。

また、その違いが、その後の、その方や組織の行動に、
大きく影響していくことも分かりました。


たとえば、ある企業のリーダーは、
東京にある高層ビルの会議室にて被災しました。

ホワイトボードが壁から落ち、
窓際にあった電話は地面にたたきつけられました。

窓から見える近隣の高層ビルは、
自分のいるビルとぶつかりそうになるほど、
大きくしなっていたそうです。

これまでに体験したことのない揺れに、
身の危険を感じるリーダー。

よって、はじめに生まれた「問い」は、やはり、

「大丈夫か?」
「ここは安全か?」

だったそうです。


しかし、揺れがだんだんと落ち着いていく中で、
頭を流れる「問い」が瞬時に変わっていきました。

「家族は大丈夫か?」
「社員や社員の家族は大丈夫か?」
「交通が麻痺するのではないか?」
「社員は無事に帰れるのか?」
「ここでこれだけだから、現地は相当な被害なのではないか?」
「現地の工場は大丈夫か? 支社は?」
「社長、会長はいまどこにいる?」
「関連子会社は?」
「取引先は?」
「週明けの月曜日は営業できそうか?」
「会社が傾くほど最悪な状態を脱するためには?」

etc......。

こうした問いが、一瞬のうちに頭の中を流れたそうです。

実際、このリーダーの会社では、
数分後には対策本部が設置され、
1時間後には全社員の安否確認がほぼ完了。

上記の問いに関連したその他のアクションも、
すぐさま取られ始めました。


問いの主語が「自分」だけでとどまるリーダーと、
「会社の資産」「ステークホルダー」、
さらには、「日本全体」「グローバル」にまで展開するリーダーとでは、
その後の行動に大きな差が生まれます。


残念ながら、私がお会いした方々の中には、
問いの内容が「自分」にとどまっていた方もいらっしゃいました。

「未来」に対する問いではなく、
「現状」にとどまっているリーダーもいらっしゃいました。

最悪のケースを想定することなく、「まあ、大丈夫でしょ?」と
「楽観視点」にとどまるリーダーもいらっしゃいました。


もちろん、その方々の経験値や抱えている責任の範囲、役割によって、
生まれる「問い」に差が出てくる可能性はあります。

しかし、本当にそれだけでしょうか。

経験や役割に関係なく、私たちは今回の震災で、

「普段からどのような視点を持って、
 『経営』や『マネジメント』をしているのか」

を突き付けられたのではないでしょうか。


「もし、あの後、すぐに『未来』の視点を持てていたのなら、
 また、『悲観視点』に触れることができていたのなら、
 きっと、これまで取ってきた行動とは異なった展開になっただろうに...」

と彼らも振り返っていました。


皆さんも体感したのではないでしょうか。

自分自身の問いの傾向を。そして、職場のメンバーの問いの傾向を。


人の行動は、問いの方向に流れます。

もし、リーダーもメンバーも、
主語が「自分」だけにとどまってしまっていたらどうでしょうか?

「現状」しか、「楽観」しか問いが流れなかった組織は、
それなりの動きだったことでしょう。

もしかしたら、日に日に悪化する状況に右往左往し、
後手に回った一ヶ月だったかもしれません。

しかし、リーダーもメンバーも、普段から、現状に慣れるのではなく、
「もっといい状態はないのか」と
質の高い「問い」を共有しあっていた組織だったとしたら、
どうでしょうか?

きっと、有事の際にも決して思考停止することなく、
「今、自分にできることは何か?」という問いが生まれ、
また、アクションに移せたのではないでしょうか。

皆さんは、この一ヶ月を振り返ってみて、どんな問いが流れましたか?
そして、あなたの組織には今、どのような問いが流れていますか?

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