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アメリカにおけるコーチングの組織導入トレンドとは

アメリカにおけるコーチングの組織導入トレンドとは | Hello, Coaching!
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以下は、あるアメリカの大手企業が明文化した、「マネージャーの8つの条件」(※1)です。

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1.最高のコーチであること
2.チームが力を発揮できるよう権限を与えること
3.メンバー一人ひとりの成功に関心を持って関わること
4.部下のやることに手出だしはしない。結果で判断すること
5.最高の聞き手であり、コミュニケーターであること
6.メンバーに適したキャリアを築かせること
7.チームに対して、明確なビジョンを示し、戦略を打ち立てること
8.チームに対して、的確なアドバイスができるようなスキルを持つこと
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これは、今年3月、ニューヨークで開催された「エクゼクティブ・コーチングカンファレンス」において、Google社の人材育成担当トップが、自社の取り組みを発表したものであり、この講演は、カンファレンス内でも一番人気でした。

アメリカの大手企業が多数参加する当カンファレンスは、企業の人材育成や、リーダーシップデベロップメントの担当者に向けて毎年開催されているもので、大手企業の社内における人材育成の取り組みと、コーチングの役割を知ることができる貴重な場となっています。

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このカンファレンスには、私自身過去何回も参加していますが、毎回行くたびに、人材育成におけるコーチングへの取り組みに進化を感じとることができます。

今回のカンファレンスで発表された調査(※2)によると、「5,000名以上の規模のアメリカ企業の81%が『Human Capital Development (人的資本開発)』として、コーチングを導入していると答えた」そうです。

また、「ひとえに『コーチング』というが、人材を育成し、会社に必要な能力を開発するには、対象者のレベルや職務内容によって、主に次の3つの異なった導入様式が実施されるようになってきている」とも紹介されていました。

その3つの導入様式を、私なりに簡単にまとめてみます。

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まず1つ目として、CEO、COOレベルの「トップマネジメント」に対しては、ほとんどの企業が「1対1のエグゼクティブコーチ」をつける傾向にあります。

その理由としては、

・絶対に失敗の許されないトップが、最高のパフォーマンスを発揮できるようにする
・新任役員が、タイムラグなく、すぐに実力を発揮できるようにする
・次期社長などのハイポテンシャル人材を発掘し、圧倒的なスピードで育成する

などが挙げられています。

Google社のエリック・シュミット会長が、You Tubeの映像(※3)を通じて、「今まで私が受けたベストアドバイスは、『あなたはコーチをつけるべき』という内容でした」と語ったように、経営陣の支援者としてのコーチの役割は大きいようです。

その際、コーチの多くは、「Cレベル(経営層)へのコーチング」を専門としているプロのコーチです。


2つ目は、会社の要となっている「マネージャーレベル」に対して、コーチをつけることです。

コーチは、社内で育成したコーチたち。人事、人材開発、人材育成の部門の人たちに専門的なコーチングのトレーニングを受けさせ、社内コーチとして承認します。

ここでテーマとなるのは、マネージャーに以下を発揮させることです。

・部下を一流に育て上げる能力
・状況に適応したリーダーシップ
・プロジェクトに関わるメンバーのポテンシャルを最大限に高め、成功させる能力

このように、マネージャー本人とその部下に対してのパフォーマンスの促進に、コーチが業務時間の中から一定の時間をとって働きかけるのです。


3つ目は、部下育成においてコーチ的な役割を担わせるため、マネージャー本人に「コーチング型アプローチを実践させる」方法です。

通常業務の中で、部下に対して、コーチ的な会話やアプローチを行うということから、「ジョブ・プラス」(Job Plus=業務にプラス)と呼ばれています。

日常の部下との関わりや会話の中身を「コーチング型」に変えることで、グループ単位、部署単位のパフォーマンスを全体的に底上げしよう、という取り組みです。

これが実践されると、全社的な「コーチングカルチャー」が醸成されます。

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この調査によると、アメリカ企業は今、3つ目の「コーチングカルチャーの醸成」に最も力を入れており、コーチングは「限られた人たちが受けるもの」から「マネジメント全体が自ら実践するもの」へとシフトしている模様です。

それを象徴するのが、冒頭にご紹介したGoogle社の人材育成担当トップの発表です。

「マネージャーの8つの条件」において、「最高のコーチであること」という項目が、最初に来ています。

さらに、この発表では、「最高のコーチの条件」についてこう加えられていました。

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・部下を毎日コーチすること
・部下に、今どんなことを学習すればいいかを把握させること
・部下の能力を伸ばすこと
・部下の障害を明確にし、部下が自ら取り除くためのサポートをすること
・部下がどうしたら成功するかをはっきりさせること
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これは、まさにGoogle社が、全社的に「コーチング型アプローチ」を導入・実践している証拠といえます。


「数年前まで、一部のトップのみがコーチの恩恵を受けていたアメリカにおいて、ここ数年の間で『コーチ』と『マネージャー』とが、ほぼ同義語で使われるようになっている。また、『人材を育成する能力を備えさせる』ということが、企業の中で重要なポジションを占めてきている」

今回カンファレンスに参加し、私は上記のような事実を改めて実感しました。

今後も、日本国内にとどまらず、よりグローバルな視点で、事例の進化に注目していきたいと思っています。


【参考】
(※1)Google's Rules
http://www.nytimes.com/imagepages/2011/03/11/business/20110313_sbn_GOOGLE-HIRES-graphic.html?ref=business

(※2)Matt Rule and Dr. David Rock,"Global Trends in The Use of Coaching in The Workplace", 2011

(※3)Schmidt Everyone needs a coach, Video Fortune
http://www.youtube.com/watch?v=a7qnTMvw92U

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