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『なぜ』を問い、『なぜ』を語る

『なぜ』を問い、『なぜ』を語る | Hello, Coaching!
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3・11の大震災後、「今、私には何ができるか」「私は何をするべきなのか」という問いかけがさまざまなところで聞かれます。

被災者の方々の過酷な状況を見るにつけ、「今の自分にできることがあれば、できる限りのことはしたい」という想いを抱くことは、至極当然の反応といえるでしょう。

同時に、「今、自分には何ができるのか」を考えるプロセスで、

「そもそも、なぜ自分はこの仕事をしているのか?」
「この仕事を通して、何を実現したいのか?」
「どんな貢献をしたいと思っていたのか?」

という問いかけを持たれた方も多いのではないでしょうか。

冒頭の問いかけが、今、自分がしている仕事の意味や意義について振り返るきっかけを与えてくれたようです。

現在のように、急激な変化や競合との熾烈な競争関係を強いられる中、私たちは、ともすると、もともと私たちの内側にあった、仕事や働くことへの意味や意義、そして想いについて忘れてしまいがちです。

その結果、毎日取り組んでいる仕事が「単なるルーティンワーク」になり、人によっては苦痛をもたらすものとなってしまうことさえあります。

仕事への関わり方が明らかに変わる

私がコーチをさせていただいている、ある製薬会社の役員の方から、こんなお話をうかがいました。

「まだ若手社員だった頃、薬の効果をみるために、毎日毎日研究室にこもっては実験を繰り返していました。それこそ、休みの日も返上していました。

でも、実験結果は代わり映えするものではなく、毎日が同じことの繰り返し。しばらくすると、そういう毎日が退屈なものに思えてきて、やる気もどんどん下がってきたんです。

そんな時です、研究所の先輩と話をしたのは。このとき話したことは、今でも鮮明に覚えています」

役員の方は、その先輩から「お前はなぜ、製薬会社に入ったんだ?」と問われたそうです。

そしてその先輩はこう続けたそうです。

「俺は学生の頃、大学病院の小児科で、ある薬で命が救われた女の子とその母親に会った。  そこで、その母親から、

『今、この子が元気でいられるのは、本当に、このお薬のおかげなんです』

という言葉を聞いて、衝撃を受けたんだ。

それまでは『やっかいだ』と思っていた薬理学の勉強だけど、この勉強の先には、

『患者さんと家族の未来を変えていく世界があるんだ』

と考えられるようになった。

そう思うと勉強にも熱が入ったし、それからは、

『製薬会社で働きたい』  『患者さんや家族の痛みや不安を取り除きたい』

と本気で思うようになったんだ。

そのときのお母さんのひと言がなかったら、今の俺はなかったかもしれないな」

そう語る先輩の顔はとても輝いて見えたそうです。

そして、役員はその話を聞いて、「新薬の開発に関わり、患者さんの未来や可能性を開いていく」という自身の入社動機を改めて思い出しました。

それ以来、当時若手社員だったその役員は、仕事への関わり方が明らかに変わったそうです。

それまで以上に意欲的に、ターゲットとなる病気の勉強に取り組んだり、時には、その病気を持った患者さんの話を聞きに行ったりもしたそうです。

気がつくと、退屈なルーティンワークはなくなり、患者さんとその家族の未来を変えることにつながっていく仕事がそこにはありました。

誰に「なぜ」を問い、どんな「なぜ」を語っていますか

人は意味を求める動物です。

「なぜ、この仕事をしているのか?」 「なぜ、この組織で働いているのか?」 「この仕事は社会にどんな貢献をするのか?」

そして、リーダーは今、目の前にある仕事の意味を問い、その意味を語る存在です。

「なぜ」を問い、「なぜ」を語ることで、「単なるルーティンワーク」を「偉大な仕事」に変えるのがリーダーです。

今、あなたは、誰に「なぜ」を問い、どんな「なぜ」を語っていますか?

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