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報酬

報酬 | Hello, Coaching!
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先日、某有名私立大学の4年生と話す機会がありました。

「就職は決まったの?」
「はい、○○銀行の内定をもらっています」
「おめでとう。それはすごいね」
「3年ぐらいは勤めようと思っています」
「えっ! もう辞めること考えてるわけ? 辞めてどうするの?」
「もっとやりがいのある仕事を見つけたいんです」


入社3年で、新入社員の3割が転職する。

世間でよく言われてはいることですが、このような会話を目の当たりにすると、社会の価値観は本当に変わったのだと実感します。

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「報酬を与えることで、求める行動を強化することができる」
「罰を与えることで、不適応な行動を減らすことができる」

ほとんどの組織はこの考え方に基づいて、評価制度がつくられ、最終的に金銭的なインセンティブに反映されていると思います。

業績をあげれば、昇給、賞与を多くもらえる。業績があがらなければ、もらえない。

正当な評価を受け、金銭的なインセンティブを受け取ることは私たちにとって重要なことの1つですが、価値観が変化、多様化した今では、どうもそれだけではうまくいかなくなってきている。

一般的に考えれば、経済成長しているときは、行動量を増やせばそれだけ物が売れる。

昨年比よりも高い売上ゴールを設定して、がむしゃらにそれに向かう。そのゴールを達成して金銭的なインセンティブを手に入れる。

日本の高度経済成長期、バブル期などはその典型といえるかもしれません。

ところが、経済が停滞してしまった現在では、行動量を増やしてもそれに比例して物が売れるわけではない。かつての「いけいけどんどん」方式のマネジメントではうまくいかなくなってきている。

先日、ある外資系の医薬品メーカーのセールスマネージャーからこんな話を聞きました。

「今は、MRには数字のゴールを持たせていないんですよ」

医薬品のMRといえば、かつてはきびしい数字のゴールに基づいてマネジメントされていた典型のような職。しかし、この会社では、受注につながる行動レベルをゴールに置き、売上はその結果ととらえている。

結果の数字だけを詰めてもうまくいかない、と考えているそうです。

また、ダニエル・ピンク氏は『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』(講談社刊)(原書『Drive: The Surprising Truth About What Motivates Us』)の中で、次のような、とても興味深い考えを述べています。

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単純作業には金銭的なインセンティブが機能する。複雑な仕事、概念的な仕事、クリエイティビティが求められる仕事は金銭的なインセンティブはモチベーターとして機能しない。

モチベーションには3つの段階がある。

・モチベーション1.0(basic operating system)
衣食住を満たすための基本的な欲求

・モチベーション2.0(the carrot and the stick / reward and punishment)
アメとムチ、金銭的インセンティブによる動機付け

・モチベーション3.0(Internal motivation / mastery)
自律性の発揮、熟練・何かができるようになること、他者への貢献など、より高い次元の目的に意味を持たせることによる動機付け

そして、問題解決など、複雑で、概念的、かつクリエイティビティを要求するような仕事では、モチベーション3.0が大切である。

金銭的報酬(モチベーション2.0)による動機付けを乱用すると、人のパフォーマンスは落ちることがあるが、現在のビジネスマネジメントではその傾向がある。

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私たちがお金のためだけに働いているわけではないことは当たり前のこと。それ以上に大切なことは、その人にとって何が「報酬」なのかを見つけることなのだと思います。

「他者への貢献」
「自分自身の成長」
「有意義な人間関係」
「何かを創り出すこと」
「新たな発見」
「仕事をすることに対する喜び」
など。

「営業数字のゴールを達成すること」
それ自体に燃えている人だってもちろんいる。


私の場合は、「営業」という仕事がとても好きで、魅力を感じています。

「新しいマーケットを切り開く」
「新しい案件にめぐり合う」

もちろん最終的には、コーチングを提供してお客様のお役に立ちたいわけですが、私にとっては、その新しい可能性を見つける瞬間も非常に楽しいものなのです。

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私たちビジネスパーソンは、日々、複雑で、概念的で、クリエイティビティが求められる仕事をしています。

生活や余暇のために金銭的な報酬を得るのは必要不可欠なこと。しかし、それだけでモチベーションを高めることは難しい。

モチベーションを高めていくためには、「金銭的なインセンティブ以外に、自分自身のモチベーションに働きかけているものは何なのか」それを明確にすることが大切だといえるでしょう。

「あなたが、仕事から、お金以外に得ているものは何ですか?」

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