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何が、リーダーシップ開発のチャンスを壊しているのか

何が、リーダーシップ開発のチャンスを壊しているのか | Hello, Coaching!
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時に間違えられることがありますが、コーチングは、コンサルティングではありません。

コンサルタントは、制度や仕組みを考えます。コーチは、制度を担う一人ひとりの変化を扱います。組織のリーダー一人ひとりが変わることで、制度を変えていくのです。

そして、コーチングにおいて、非常に大きなテーマの1つは、リーダーの「自己認識」を高めることです。「自己認識」の低いリーダーでは、組織の変化を生み出すことなどできないでしょう。

以下、あるリーダーシップに関する文献(※)に記されている、リーダーの自己認識に関する、興味深い調査を、ポイントを絞ってご紹介します。

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2010年、ピッツバーグに本社を置くDDI(Development Dimensions International)社は、さまざまな組織に属する1,130名の第一線のマネージャー(次世代リーダー)に対して、次のようなリサーチを実施しました。

・仕事で直面する課題を、どのように克服しているのか?
・何が彼らの成功を妨げているのか?

その結果、分かったことは主に次のとおりです。

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★マネージャーの42%が、「自身の成功に必要なものが何か」を理解していない
★マネージャーの89%が、最低でも1つ以上、リーダーとしての「盲点(blind spot)」を持っていた
★任務を遂行する準備ができているマネージャーは、10人中1人だった
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この結果について、DDI 社のリーダーシップ開発部門 副社長 Jim Concelman 氏は、次のように話しています。

「各リーダーが、自身の向上すべき領域にフォーカスするためには、自ら持つリーダーシップ・スキルについて現実的な評価を受けることが不可欠です」

各企業にはすでに、様々なフィードバック・システムが存在しています。四半期ごと、毎月、毎日、時には1時間ごと......。特定の情報に関するレポートが自動的に得られるものもあるでしょう。しかし、それら情報と「リーダーシップ開発」とは勝手が違います。

「今、この瞬間、私はリーダーとしてどう見えているか?」が分かる唯一の方法は、アセスメントによる他者評価だけです。

そこでDDI 社は、別のリサーチで、200名以上のマネージャーに対し、以下7つのリーダーシップ・スキルにおけるアセスメントを実施しました。


<7つのリーダーシップ・スキル>

1. コーチング
2. コミュニケーション
3. 権限・任務の委譲
4. コミットメントを得ること
5. 判断力
6. プランニングと組織化
7. 問題解決能力


まずマネージャーたちに自己評価をしてもらい、次に、その彼らの実際のパフォーマンス(上司による評価)と自己評価を照らし合わせた結果、ある1つの事実が見えてきました。

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★89%のマネージャーが、7つのリーダーシップ・スキルのうち1つ以上の項目において、実際のスキル・レベルよりも自己評価のほうを高く付けていた
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つまり、リーダーたちは、自らのリーダーシップ・スキルにおける改善の必要性に、それまでまったく気づいていなかったわけです。

彼らは、ある特定のリーダーシップ・スキルにおいて他のリーダーよりも秀でていたため、たとえ改善の必要があるスキルがあったとしても、それを認識しようとはしませんでした。

結果、この「自己認識」の欠如は、そのリーダーに足りていないスキルを満たすための「開発のチャンス」を壊し、開発そのものにコミットできない状況を作り出していたのです。

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ここまで述べられている内容に対して、私も同感です。

「もし特定のリーダーシップ・スキルが高いのであれば、むしろその強みだけを伸ばしていったほうがいいのではないか?」という意見も確かにあるでしょう。

しかし、リーダーたちが、あるリーダーシップ・スキルにおいてどれだけ優秀であろうとも、それ以外のスキルに改善の余地が残された状態では、企業に、イノベーションやダイナミズム、組織変革をもたらすことはできません。その理由について、 前述の文献(※)の中では次のように述べられています。

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『リーダーシップの8つの側面(The 8 Dimentions of Leadership)』の著者であるInscape Publishing 社 CEO のJeffrey Sugerman 氏はこう言っています。

「私たちは、多くの場合、『ある1つの項目に秀でたリーダー』に期待します。それは、実現力だったり、重要な戦略的決断力を生み出す力だったりします。しかし、我々がリサーチしたところ、周囲から『最も有能だ』とみなされているリーダーたちは、『すべての項目』において優秀であることが分かったのです。程度の差こそあれ、優秀なリーダーたちは、『何か1つだけが優秀』というわけではなかったということです」

さらに、Sugerman 氏の共著者で、Inscape 社のリサーチャーであるMark Scullard 氏はこう付け加えています。

「裏を返せば、同僚や部下、マネージャー(上司)からの評価が、全体的に低かったリーダーも、強みを何も持っていないわけではないのです。彼ら個々は、明らかな強みを持っています。しかし、リーダーシップの有能さに関して、彼らは全体的に低いスコアを付けられてしまった。なぜなら、彼らにはリーダーとして、その強み以外の、パフォーマンスとリーダーシップ能力の一部分、あるいは全範囲において、著しい欠如があったからです」

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今、組織には、ダイナミズムが求められています。そして、このダイナミズムを生み出すのは、自ら開発を続けているリーダーの存在に他なりません。

たとえ新しい制度やシステムを導入しても、その中で働くリーダーの「自己認識」やコミュニケーションが変わらなければ、組織変革の実現は難しいでしょう。

一方、リーダーの「自己認識」を高めるため、組織内にアセスメントを受けたり、コーチし合ったりする構造を導入することができれば、組織変革の実現に必要な、個々の変革力やスピード、リーダーシップを全方位的に開発することができるのです。

あなたの組織では、リーダーの「自己認識」を高める機会が継続的、長期的に与えられていますか?


【参考文献】(※)
 Developing Multidimensional Leaders
 Copyright MediaTec Publishing Limited

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