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コピーしました コピーに失敗しました衆議院が解散されました。
間接的にではありますが、総理大臣という日本の行政トップの選出につながる選挙が、間近に控えています。
日本の総理も、アメリカや韓国のように直接選挙で選ぶべきだとの論もありますが、どのように選ばれるか、という仕組み自体は公になっていて、決して不透明なものではありません。
私事になりますが、先日、中学校に通う息子が生徒会長に立候補しました。候補者は4人。全員がマニフェストを用意し、立候補演説をし、それを聞いた全校生徒が生徒会長にふさわしいと思う生徒に投票する。
1回目の投票で、息子は2位でした。1位の生徒が過半数を取らなかったため、決選投票が行われることに。最終的に、10票ほどの差で息子は落選しました。
この話を息子から聞いたとき、ずいぶんとしっかりした選び方をする学校だな、と思ったものです。
さて、一方で、企業のトップはどのように選ばれるでしょうか?
みなさんは、ご自身が務める会社の社長が、どのようなプロセスで、どのような判断基準を基に選ばれたかを知っていますか?
まさか選挙で社長を選ぶ会社はないでしょうが、あったら面白いかもしれません。
IBMやゼネラル・エレクトリックなど多くの米企業は、社内にCEOを選出する明確なルールがあるそうです。社外取締役に意見を求めることもあります。誰がどのようにしてトップに選ばれるのかが、オープンにされているわけです。
それに対して、ほとんどの日本企業では、どのようにトップが選出されたのかはブラックボックス化されていて、公にされていません。
外部の人や、あるいは階層が下の人にプロセスがオープンにされないことのみならず、取締役ですら、なぜその人が社長に就任したのかを知らないことが大抵です。
多くの日本企業では、次の社長の指名は現社長の専任事項で、なぜその人が次期社長に指名されたのかは、社長のみぞ知る、ということになります。
さらに驚くのは、エグゼグティブ・コーチングなどで、新社長になった方に「なぜあなたが社長に選ばれたのですか?」と聞くと、「それがよくわからないんです」という答えが返ってくることがままあることです。
新社長当人すら、理由を知らない。
そこには、武道の流派の師範が後継を指名するような、一子相伝的な雰囲気があるのかもしれません。
見ようによっては、すべてを言葉にせず、指名側の思いを「悟らせる」日本的なバトンタッチの仕方で、それはそれでメリットもあるのでしょう。
ただ、明らかに起こりうる問題が2つあります。
ひとつは、日本企業がグローバル化していく中で、この指名の仕方では世界に通じない、ということです。
海外駐在員が現地社員から「なぜ彼が社長になったのか」と聞かれて、明確に答えることができない。
これは、ヘッドクォーターが求心力を失う要因のひとつだと思います。
もうひとつは、どのようにして社長が選ばれるかがオープンにされていないと、社内全体で「後継者を選出、育成する」という意識がなかなか育たないということです。
日本企業でも、現場での社員の育成は多く行われています。ただ、部下が業績を上げるように育成することと、自分のポジションを引き継げる人材を育成することはずいぶん違います。
つまり、「リーダー」の育成において、日本企業はシステム的に弱い。
先日、弊社のアドバイザリーボードである元日本コカ・コーラ会長の魚谷雅彦さんが、在任中、頻繁にヘッドクォーターから、「今君に何かあったら次は誰だ?」と聞かれていたということをおっしゃっていました。
常に自分の後継者になる人材を3人想定しておくことが求められたそうです。それが管理職以上のポストには常に求められていた。そして、実際にヘッドクォーターで、後継者を誰にするかについてプレゼンもする。誰が次の後継者にふさわしいのかを、日常的に、すべての階層で探している。そんな雰囲気が社内にあるのだと思います。
ちなみに、弊社の関連会社であるコーチング研究所(CRI)が、外資系企業、日系企業それぞれ約3,800名に行ったリサーチによると、「部下の話に耳を傾ける」「目標設定を的確に行う」といったピープルマネジメントの基本項目12項目のうち、10項目において、日系企業のマネージャーよりも、外資系企業のマネージャーの方が周囲から高い評価を得ていることがわかっています。
また、10項目中、特に点差が大きいのが「フォローアップ」「フィードバック」の2項目でした。
この結果からだけで判断するのは難しいかもしれませんが、外資系のマネージャーの方が、部下の成長支援を意識した関わりが多い、と言えそうです。
「次のリーダーは誰だ?」を日常的に考えているからこそ、こうした関わりが増えるのかもしれません。
欧米の企業が全ていいというわけではありませんが、後継者の育成ということに関しては、日系企業は学べるところがありそうです。
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