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話題のマネジメント

話題のマネジメント
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3月決算の会社では、目標達成に向けて残りひと月半、
12月決算の会社では、新しい年次目標でスタートしてひと月半が経過しました。

組織目標の達成は、会社の成長に欠かせないものです。
この重要な組織目標、あなたの組織では、どれくらい意識されているでしょうか。

本メールマガジンの読者の方にご協力いただいた「目標に関する調査」で、
「所属組織の通期目標についての個人の状態」についてお聞きしたところ、
次のような結果となりました。(※1)

A. 目標を覚えていて、達成するために行動している 66%
B. 目標を覚えている 14%
C. あいまいだが、目標を覚えている 10%
D. 目標を聞いた事はあるが覚えていない 5%
E. その他 4%

理想の状態である、選択肢A.の
「目標を覚えていて、達成するため行動している」を、
66%の方、およそ3人に2人が選びました。

逆に考えると、3人に1人は目標があいまいであるなど、
理想の状態でない、ということになります。

次に、「目標を話題にしている頻度」別に、
選択肢A.を選んだ人の割合を調べた結果をご紹介します。

話題の頻度 「目標を覚えていて、達成するため行動している」人の割合

A. 週に1回以上 92%
B. 半月に1回程度 85%
C. 月に1回程度 80%
D. 2-3カ月に1回程度 64%
E. 半年に1回程度 49%
F. 1年に1回程度 29%
G. 話題にしていない 13%

「週に1回以上話題にしている」では、
92%もの人が目標を覚えていて、達成するために行動しています。

「半年に1回程度」では49%とほぼ半数、
「話題にしていない」場合は、わずか13%でした。

この差が、目標達成に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。

シンプルな法則ですが、「高い頻度で話題にする」ことが
目標の理解と行動を促すことは、容易に想像できます。

このことから、リーダーの組織運営には、
「組織目標が頻繁に話題になるようにする」こと、すなわち、
「話題のマネジメント」が有効であることが分かります。

では、「目標が話題になる組織」を実現するは、どうしたらいいのでしょうか。

アイディアが広がり、「話題」となる3つの条件

雑誌 『ニューヨーカー』のスタッフライターで、ベストセラー作家のマルコム・ グラッドウェルは、その著書で、アイディアが広がり、「話題」となる条件について調べた結果を紹介しています。(※2)

その条件とは、次の3つでした。

  1. 少数者の法則
  2. 粘りの要素
  3. 背景の力

本では、口コミがどのように広がっていくかをテーマに扱っていますが、この考えは、組織内で目標を話題にする場合にも応用できるところがあります。

3つの条件を、それぞれ見ていきましょう。

1. 少数者の法則

はじめから全員でなく、周囲に影響力を持った人たちが話題を広げていくという法則です。

組織内で、多くの人とつながっている人、
目標を魅力的に語ることができる人、
そういった人たちが、目標を深く理解し話題にすることで、
全員に影響をおよぼします。

目標を組織全員に「1対多」で伝えるだけでなく、目標について「重点的に対話する人」を見いだすことが有力な方法となる、と考えることができます。

2. 粘りの要素

これは、「記憶に残る要素」といえます。

「組織目標は何ですか?」と聞かれて、
みなさんはすぐに答えられるでしょうか。

曖昧な表現であったり、数が多すぎたりして覚えにくい場合、
話題にはなりにくいでしょう。

一方、思い出すだけで心に熱を帯びるような
印象的な言葉であると、より記憶に残ります。

リーダーですら思い出すのが難しいような目標だとすると、
組織で話題になる可能性は、圧倒的に低いのではないでしょうか?

今一度、組織目標が簡単に「記憶に残る」ものになっているかを
確認することが有効です。

3. 背景の力

これは、話題になりやすい「環境を用意する」というものです。

定例会議のような「場」自体がない場合は、
目標が話題となる頻度は自ずと減ります。

話題になりやすい環境をつくるために、
日報や週報に目標に関するコーナーを設けたり、
リーダー自らが折を見て目標に触れたりするといった
意図的な施策が必要となります。

あなたの組織メンバーは、組織目標に向けて十分行動しているでしょうか。

もし足りないなという場合、上記3つの視点で働きかけ、目標を話題にする頻度を増やしてみてはいかがでしょうか。


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ぜひ読んだ感想を教えてください。

【参考資料】
※1
WEEKLY GLOBAL COACH 読者アンケート調査
「目標に関するアンケート調査(No.5)」
実施期間:2015年1月14日~2月3日
回答者数:275名

結果レポートは、近日中にコーチ・エィのサイトに掲載される予定です。

※2
『ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか』
マルコム グラッドウェル (著)、高橋 啓 (翻訳)

※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。転載、その他の利用のご希望がある場合は、編集部までお問い合わせください。

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