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話題のマネジメント
2015年02月18日
3月決算の会社では、目標達成に向けて残りひと月半、12月決算の会社では、新しい年次目標でスタートしてひと月半が経過しました。
組織目標の達成は、会社の成長に欠かせないものです。この重要な組織目標、あなたの組織では、どれくらい意識されているでしょうか。
本メールマガジンの読者の方にご協力いただいた「目標に関する調査」で、「所属組織の通期目標についての個人の状態」についてお聞きしたところ、次のような結果となりました。(※1)
A. 目標を覚えていて、達成するために行動している | 66% |
---|---|
B. 目標を覚えている | 14% |
C. あいまいだが、目標を覚えている | 10% |
D. 目標を聞いた事はあるが覚えていない | 5% |
E. その他 | 4% |
理想の状態である、選択肢A.の「目標を覚えていて、達成するため行動している」を、66%の方、およそ3人に2人が選びました。
逆に考えると、3人に1人は目標があいまいであるなど、理想の状態でない、ということになります。
次に、「目標を話題にしている頻度」別に、選択肢A.を選んだ人の割合を調べた結果をご紹介します。
話題の頻度 「目標を覚えていて、達成するため行動している」人の割合
A. 週に1回以上 | 92% |
---|---|
B. 半月に1回程度 | 85% |
C. 月に1回程度 | 80% |
D. 2-3カ月に1回程度 | 64% |
E. 半年に1回程度 | 49% |
F. 1年に1回程度 | 29% |
G. 話題にしていない | 13% |
「週に1回以上話題にしている」では、92%もの人が目標を覚えていて、達成するために行動しています。
「半年に1回程度」では49%とほぼ半数、「話題にしていない」場合は、わずか13%でした。
この差が、目標達成に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。
シンプルな法則ですが、「高い頻度で話題にする」ことが目標の理解と行動を促すことは、容易に想像できます。
このことから、リーダーの組織運営には、「組織目標が頻繁に話題になるようにする」こと、すなわち、「話題のマネジメント」が有効であることが分かります。
では、「目標が話題になる組織」を実現するは、どうしたらいいのでしょうか。
アイディアが広がり、「話題」となる3つの条件
雑誌 『ニューヨーカー』のスタッフライターで、ベストセラー作家のマルコム・ グラッドウェルは、その著書で、アイディアが広がり、「話題」となる条件について調べた結果を紹介しています。(※2)
その条件とは、次の3つでした。
- 少数者の法則
- 粘りの要素
- 背景の力
本では、口コミがどのように広がっていくかをテーマに扱っていますが、この考えは、組織内で目標を話題にする場合にも応用できるところがあります。
3つの条件を、それぞれ見ていきましょう。
1. 少数者の法則
はじめから全員でなく、周囲に影響力を持った人たちが話題を広げていくという法則です。
組織内で、多くの人とつながっている人、目標を魅力的に語ることができる人、そういった人たちが、目標を深く理解し話題にすることで、全員に影響をおよぼします。
目標を組織全員に「1対多」で伝えるだけでなく、目標について「重点的に対話する人」を見いだすことが有力な方法となる、と考えることができます。
2. 粘りの要素
これは、「記憶に残る要素」といえます。
「組織目標は何ですか?」と聞かれて、みなさんはすぐに答えられるでしょうか。
曖昧な表現であったり、数が多すぎたりして覚えにくい場合、話題にはなりにくいでしょう。
一方、思い出すだけで心に熱を帯びるような印象的な言葉であると、より記憶に残ります。
リーダーですら思い出すのが難しいような目標だとすると、組織で話題になる可能性は、圧倒的に低いのではないでしょうか?
今一度、組織目標が簡単に「記憶に残る」ものになっているかを確認することが有効です。
3. 背景の力
これは、話題になりやすい「環境を用意する」というものです。
定例会議のような「場」自体がない場合は、目標が話題となる頻度は自ずと減ります。
話題になりやすい環境をつくるために、日報や週報に目標に関するコーナーを設けたり、リーダー自らが折を見て目標に触れたりするといった意図的な施策が必要となります。
あなたの組織メンバーは、組織目標に向けて十分行動しているでしょうか。もし足りないなという場合、上記3つの視点で働きかけ、目標を話題にする頻度を増やしてみてはいかがでしょうか。
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【参考資料】
※1
WEEKLY GLOBAL COACH 読者アンケート調査
「目標に関するアンケート調査(No.5)」
実施期間:2015年1月14日~2月3日
回答者数:275名
結果レポートは、近日中にコーチ・エィのサイトに掲載される予定です。
※2
『ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか』
マルコム グラッドウェル (著)、高橋 啓 (翻訳)
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