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信頼関係の創り方、育て方

信頼関係の創り方、育て方
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NPO日本コーチ協会の年次大会で、予防医学研究者でマネジメントに関する著作もある石川善樹さんが講演されました。

「効果的な1on1」というテーマだったのですが、その中で石川さんは、「信頼と信用の違い」について言及されました。

自分もこれまで幾度となく考えてきたことだったので、とても関心を持って耳を傾けました。

信用と信頼の違いとは?

石川さんによれば、信用とは「相手への理性的な判断」であり、信頼とは「相手との感情的な結びつき」だと。

なるほどなあ、と思いました。

例えば、クレジットカードの与信審査。あれはまさに信用があるかないかの判断です。そしてその判断の根拠となるのは、その個人の金融取引などの記録。データを基にした理性的な判断です。「あなたを『信頼』していますから!」といって、審査を通してくれる会社はありません。

あるいは、試合直前のミーティング。 主将が仲間の選手を集め、熱く昂ぶり、そして語るような場面では、「みんなを"信用"している! あとはやるだけだ、行こう!」 よりも「みんなを"信頼"している! あとはやるだけだ、行こう!」の方が似つかわしい。

仲間の能力に対する「理性的な判断」を伝えるのではなく、自分たちには「感情的な結びつき」があり、チームとして戦うことを思い起こさせるわけですから。

よって、部下を「信用している」と言うときは、部下の過去の実績やパフォーマンスに基づき、理性的な判断をもって「信用できるか、否か」を表現しているということになります。

一方、「信頼している」と言うときは、相手との間に作り上げた関係性に基づき、「人」として「仲間」として相手を「信じる心」を持っているということ。

だから、「部下のエクセルのスキルは信用していないけれども、彼という人物は信頼している」という表現が成り立つ。「成り立つ」というよりも、本来はそのように言葉を区別して使うべきなのかもしれません。

では、効果的な1on1に必要な上司・部下の間の「信頼関係」は、どのように形作られるものなのでしょうか。

「信頼関係」の創り方

大会の後しばらくして、石川さんと2人でお話する時間がありました。

「信頼と信用の話、とても面白かったです」と伝えると、

「鈴木さん、『信頼』『信用』の他に、『信仰』というのもありますよね。『信仰』は異論反論を許さない関係性です。でも『信頼関係』の中では、それが許される」と。

なるほど~。

これを聞いて、「信頼関係の醸成」について、自分の考えが深まりました。

つまり、信頼関係が成り立っているところでは、「異論反論」が許される。

言い方を変えれば、相手が異論反論を唱えてくる。それによって相手に対する信頼が崩れるようでは、その程度の信頼だったということになる。

上司は、部下の異論反論に耳を傾けるべきであり、異論反論が許されてはじめて、部下は本当の意味で上司を信頼する。

もちろん逆もしかりで、上司は部下の発言に対して異論反論を唱える。

「言わせて、言って」

この「何でも話していいんだ」という関係性をつくれてこそ、いや、そういう関係性をつくりながら、信頼はより強く二人の間で醸成されていく。

「異論反論」は、ある意味で信頼関係に対するテストとして存在し、それを毎回パスする中で、信頼関係は強固なものとなっていく。

考えてみれば、「自己信頼」とは言うけれど、 「自己信用」とは慣習的にあまり言いません。

「自己信頼」とは、自分の中に「理想と異なる、反する自分」を見てしまったとしても、自分を信じることを止めない、ということなのでしょう。

ちょうど他人の自分に対する異論反論を許すように。

ということは、おそらく、「自己信頼」の強い人ほど、他人の異論反論を避けたり、潰したりせずに、しっかりと受け止めることができ、部下との「信頼関係」を築くことに長けているということなのかもしれません。

みなさんの自分に対する信頼はどの程度厚いでしょうか?

部下への信頼の厚さはどうでしょうか?

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