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Think together 一緒に考える

Think together 一緒に考える
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2021年2月、コーチングによる組織開発を実現するサービス、Driving Corporate Dynamism(DCD)が刷新されました。DCDの特徴は、お客様の組織内でリーダー開発の連鎖を起こす構造にあります。

DCDというサービスの中核にある哲学は、"Think together"、つまり「一緒に考える」、あるいは「一緒に探求する」ことです。"Think together"とは、複数の人が異なる意見を持ち込み、互いに問い、問われる過程で、それ以前には認識されていなかった新しい理解や解釈がその場に生まれることを意味しています。これは、コーチ・エィが大事にしているValueの一つでもあります。

"Think together" のための "Think together"

DCDの中で大きな鍵を握るのが、連鎖を起こす関わりについて学習するオンラインクラスです。DCDのオンラインクラスは、"Think together"の場、つまり、クラスに参加するさまざまな組織のリーダーが、お互いに関わりの可能性について探求し、学び合う場です。コーチ・エィのコーチはクラスの進行に携わりますが、そこには講師と参加者という構図はありません。あくまでも「学び合う仲間」という立ち位置です。

今回の刷新では、クラスで扱う内容も変わりました。そこで、クラス運営に携わる私たちコーチは、クラスをどうしたらより質の高い"Think together"の場にすることができるかについて話し合いながら、新しいサービスのローンチに向けて準備を進めました。つまり、今回のリニューアルにあたって、プログラムを運営する我々自身に"Think together"が求められたのです。

私が担当するクラスのテーマは「双方向」。「双方向」とは、「コーチングの三原則」の一つで、一方が話して、一方が聞くという関係性ではなく、双方が「話す」と「聞く」を担うことを意味します。そして、コーチ・エィの考える「双方向のコミュニケーション」とは、問いを間に置き、双方がともに自分の考えや思いを率直に話すことができる状態を指します。

この「双方向」のクラスのマニュアルには、まさに "Think together"についての記述があります。それを読んだときに、新しいクラスを始めるにあたって、まさに自分たちコーチの在り方が問われている、そんな気がしました。

実際に私たちがたどった"Think together"の道筋は、次のようなものでした。

問いを共有し、探求した先にある共創

問いの共有

クラスのテーマである「双方向」について改めて考えてみると、実はそれがどういうことなのか、わかっているようでわかっていない。それが私たちの出発点でした。そこで、次の3つの問いについて考えることから始めました。

  • そもそも双方向とは何なのか?
  • 双方向ではないコミュニケーションとは?
  • 双方向だとどんなよいことがあるのか?

探求する

これらの問いに対する「答え」は、メンバーそれぞれ違います。そこで、互いの考えやイメージの違いについて「正しいか、間違っているか」、「良いか悪いか」ではなく、相手の前提や背景、意味することが何なのかについて、お互いに知ろうとしました。

捉え方の違いはどこから来るのか? それはどう形成されたのか? そう探求することは、お互いについての深い理解にもつながりました。

共創する

互いの背景や意味を理解すると、その過程でそれぞれがもつ定義やイメージのすり合わせがなされ、新しい解釈や理解が生まれていきます。

最終的には、クラス参加者が双方向の理解を深めるという本来の目的に向けて、最適な選択は何か、という視点で内容を決めていきました。

"Think together" の先にあるもの

この一連のプロセスを経て、テーマであった「双方向」の意味が、自分の中でより明確になりました。

私たちは、自分が発した言葉がどのように相手に受けとめられるかを、少なからず気にしているものです。相手の言葉、表情、間、流れる空気など、ありとあらゆる情報をもとに、相手がそれをどう受け取ったのかに注意を払っています。

このチームでの、一つのテーマについてともに考え、探求するプロセスでは、自分の発した言葉が相手にどう受け止められたかに気をもむことがありませんでした。なぜなら、互いに理解しようと努めていることが伝わってきたからです。そうした場では、より考えやアイディアを話したくなる。この体験を経て、私自身は、双方向の会話の鍵は「どのように聞かれるか」にあるという考えに至りました。そしてそれは、私自身のコーチングにおける「聞く」という行為にも、確実に影響を与えました。

私と同じチームとなったコーチたちは全員キャリアも長く、それぞれの経験と力で独自にクラスの設計ができる面々でした。実際、効率という面でみればその方が理にかなっているかもしれません。しかし、「双方向」というテーマについて「一緒に考える」ことは、私自身のコーチングに変化をもたらしました。私だけでなく、"Think together" のプロセスでそれぞれが体験したことは、メンバーの意識や考え、物事の解釈に何らかの変化をもたらしたはずです。サービスのリニューアルは、こうした内側の体験が組織のあちこちで起こることが、組織全体の変化につながっていくことを実感する機会になりました。

* * *

"Think together"は、組織開発に向けたDCDの中核であると冒頭に述べました。

正解のない時代においてパフォーマンスを発揮するのは、「最もよく知っている人ではなく、最も他者の力を活かせる人である」と言われます。

あなたが周囲と"Think together"を始めると、組織はどう変わっていきますか?

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