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そのネットワークシステム、万全ですか?

そのネットワークシステム、万全ですか?
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新型コロナウイルス第6波はピークアウトしたようですが、1日も早い終息を祈らずにはいられません。我が家でも、2月の初めに娘が保育園関連で濃厚接触者になったのを機に、家の中が何者かに侵されているような雰囲気となりました。

2月中旬には、夫と息子がコロナ陽性判定。私自身は陰性ながら、珍しく体調を崩し、それから1か月間、ひどい頭痛に悩まされ続けるという体調不良月間となりました。

このコラムの配信が残り1週間と迫った時、頭痛による睡眠不足はピークを迎え、トピックもテーマも未定という状況。社長の鈴木にそんな情けない状況を報告したところ、鈴木から軽やかな短い返信がありました。「がんばってー。体調悪くなって悟ったリーダーのあり方なんてどう?」そして、メッセージの最後には「笑」マーク。

日頃の何でも言える関係性も相まって、そのメッセージは、「大丈夫?」と心配されるよりずっと私の気持ちを楽にしてくれました。その軽やかさにエネルギーをもらって、何を書こうかと考え始めましたが、振り返ると、たしかに今回、体調を崩してつくづく思い知ったことがいくつかあります。

今回は、そのひとつ、リーダーに必要な「ファウンデーション」について考察します。

ファウンデーションとは

「ファウンデーション」とは「基盤」を意味します。誰しも、新しいことに向けて考えたり、行動を起こしたりするためには基礎体力が必要です。翻って言えば、ファウンデーションが整っていないと、体力、つまりエネルギーが不足して、新しいことに向かえなくなるわけです。そう考えると、特にリーダーには外部環境に左右されない強固な基盤が必要だといえるでしょう。

ファウンデーションを整えるために一番大切なことは、自分のエネルギーをどうコントロールするか、エネルギーをいかにマネジメントするかです。

人のエネルギーには「身体的エネルギー」と「精神的エネルギー」があります。前者はいわば健康状態で、後者は主に、自分や周囲との関係性によってもたらされるエネルギーです。自分との関係性には、自己認識や自己肯定感などが含まれます。時に、今回の感染症のようなコントロールが難しいものも存在しますが、身体的エネルギーや自分との関係性は、ほとんどの場合、自分でコントロールが可能です。しかし、他者や周囲との関係性に影響を受ける精神的エネルギーは、自分一人だけで完結しないため、コントロールがより難しくなります。

リーダーにとって、組織のメンバーとともに高い目標を達成するには、周囲との関係性構築が欠かせません。身体的エネルギーを整えるのは当然として、より高いレベルでの精神的エネルギーのマネジメントをするには、どうすればよいのでしょうか。

精神的エネルギーの重要な要素とは

周囲との関係性に影響を大きく受ける精神的エネルギーは、自分と他者との間、または、様々な関わりの集積である「場」に存在するもの、と捉えることができます。

そう考えると、リーダーにとって「自分や相手のエネルギーを高める関わりをどれだけ築くことができているのか」「エネルギーの集積地がどれだけ自組織に存在しているのか」を把握し、そのようなネットワークをより強化していくことは、とても重要なことに違いありません。

自分のため、メンバーのため、そして、組織のために、どのような関係性のどんなネットワークがあるとよいのか。

そのような視点に立ったとき、たとえ他者との関係性であっても、自分でコントロールが可能なことに気づきます。

あなた自身は、今、どんなネットワークシステムをもっているでしょうか。それは、あなたをサポートしてくれるネットワークでしょうか。

今回、体調を崩した私は、自分のネットワークシステムの不備に直面しました。日頃の元気さや忙しさを理由にメンテナンスをすっかり怠り、助けを求める、仕事を任せる、教えてもらうなどが必要な局面で、「誰に声をかければよいか」がすぐに整理できず、機動的に対応することができなかったのです。

体調不良など、自分がいつもと同じように動けないトラブル時はもちろんですが、多くのチャレンジに立ち向かっている臨戦態勢のリーダーにとっては、常にアップデートされたネットワークシステムが必要です。

ネットワークを考察、構築する

エグゼクティブ・コーチングの中では、このネットワークシステムの棚卸しをクライアントとともに行います。

エグゼクティブが組織を変革していく際のキーパーソンを中心に、現在持っているネットワークシステムをまずは自分で書いていきます。多くの場合、会社内や自組織の人たちの名前のみで埋め尽くされます。

「あなたをサポートしている人は誰ですか?サポートして欲しい人は誰ですか?」
「あなたが成功させようと思っている人は誰ですか?あなたの関わりで成功している人は誰ですか?」
「24時間365日を考えたときに、あなたの支えになっている人は?」
「社外、家族親戚、知人友人、プライベートにも目を向けてみると?」
「緊急事態が起きたときに真っ先に相談するのは?」

やりとりを始めると、ネットワークがだんだんと浮かび上がってきます。これまで最も登場人物が多かったネットワーク図は、製造業で本部長をされているAさんのものですが、なんと170人が表現されました。

Aさんは自分のネットワーク図を可視化した際、以下のことを再認識されました。

  • 改めて多くの方々に支えられてきたことを認識でき、感謝と敬意の気持ちが生じた。
  • 支えられているにも関わらず、心理的な距離感には差がある。
  • 心理的に遠いと感じる人とは、コミュニケーションが十分とれていない。

そして、感謝を伝える、自分から声をかけてコミュニケーションの場を作る、プロジェクトを開始するなど、関係性を変えていくためのアクションをすぐに起こしました。

そして、Aさんのネットワークが強固になればなるほど、Aさんは新しいチャレンジによりエネルギーを集中させていくことができるようになりました。

Aさんの取り組みは、まさにリーダーとしてのファウンデーションを整えるためのものだったことがわかります。

***

そろそろ新年度が始まります。新しい行動に向けて、ファウンデーションを整える第一歩として、ネットワークの棚卸しを加えてみてはいかがでしょうか。体調が回復しつつある今、私自身も取り組みたいと思います。

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