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私はいま何をしようとしているのか?

私はいま何をしようとしているのか?
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ここ上海でロックダウンが始まり、1ヶ月以上が経ちました。政策への賛否はともかく、部屋から一歩も出ることができない状況がここまで長く続くと予想していた人は少なかったでしょう。

当然ながら、仕事をしている人は、ほぼすべての人が在宅勤務をしています。私自身、メンバーとオンラインでミーティングをする毎日です。

現在の上海の状況は特殊かもしれませんが、世界中で、2年前と比較して圧倒的に在宅で仕事をする人が増え、業務上でのオンラインでのコミュニケーションが増えた方が多いのではないかと思います。

働き方がオンラインになり、一緒に仕事をする人たちとの関わりに変化はあったでしょうか。それともとくに変化はないでしょうか。

オンラインでマネジメントは難しくなった?

よく耳にするのは、マネジメントに悩むリーダーが増えたという話です。同じオフィスにいれば、多くの人は部下の姿を一日のうち何度も目にする機会があったでしょう。会議や面談でなくとも、見かけたときにちょっと声をかけて立ち話をするといった時間もあったかもしれません。

しかしオンラインになると、約束をして決まった時間で話すのみ。それも眼前にあるのは、主に正面を向いた顔だけが映っている画面です。

そんな状況で、以前よりも部下の様子がよくわからなくなったという声も聞かれます。

ところが、私自身は、この環境下で以前よりも部下の調子を敏感に感じ取ることができるようになりました。表情や声のトーンなど、いつもとの微妙な違いを察知して、部下に声をかけています。

恥ずかしながら、オフィスで毎日顔を合わせている時には、ここまで小さな違いに気づくことは少なかったと思います。気づいていたとしても、多少の違和感であればやり過ごし、あえて声を掛けることはほとんどありませんでした。

もちろんすべてがリアルと同じようにいくわけではありません。それでも、自分自身のマネジメント能力が少し向上し、部下とも良好な関係性を維持できているのはたしかです。

もしかしたら「オンラインだから、リアルだから」という話の前に考えるべきことがあるのではないか。最近はそんなふうに思います。

自分を観察することが、相手への関心につながった

部下との関わり方に変化が起きたのは、「自分観察ノート」のおかげです。

日本にいる上司との1on1で、部下と話している際に自分は何を感じているのか、何をしようとしているのかをテーマに話したことがありました。

上司に問われて答えようとするものの、言葉にするのが非常に難しい。そもそも無意識に行動していることが多いと気づき、自分の中で起きていることをノートに書き留め始めました。

ノートをつけ始めてすぐに、自分がある部下の状態を非常に気にしていることに気がつきました。ちょっとした声のトーン、視線の動かし方、問いかけてから答えるまでのタイミング、そうした些細なことをきっかけに、その部下に対して「大丈夫だろうか?」という問いが頭の中で回っていることを自覚したのです。

気にしている自分に気づいたことは、その部下に声をかけるきっかけになりました。こちらから声をかけたことで話しやすくなったのか、彼女はコロナ禍で感じているストレスについていろいろと話してくれました。私が彼女の変化に気づいたことで、「見てくれている」という安心感も感じてくれたように思います。

さらに、ちょっとした変化が気になる自分がいることを認識して以来、他の部下の様子も以前より観察するようになりました。それ以来、いつもと何か違うと感じると、そのタイミングで声をかけるようにしています。

自分が無意識でやっていることを自覚できると、新たな行動の選択肢が生まれます。自分はどんな状態か、何を感じているのか、自分は何をしようとしているのか、そうしたことを自覚して初めて、違う行動をするという選択肢を考えられるようになる。「自分観察ノート」を始めて、そのことを実感しました。

***

先日、ある日系企業の上海拠点の経営幹部の方と打ち合わせをした際、こんな話が出ました。

「多くの管理職がオンラインミーティングを毎日開催している。ミーティングに参加している部下が多いこともあり、上司が部下に、業務上必要な情報を一方的に伝達するだけのミーティングになっている。正直、社員が実際どういう状態なのか把握できていない」

この話を聞いたとき「管理職の方々は何に意識を向けて、どんなことを感じているのだろう?」という問いが頭に浮かびました。

無意識に行動している限り、そこに変化を創り出すのは難しいはずです。立ち止まって「自分はいま何をしようとしているのか?」という問いを自分に投げかけたら、違う選択肢が生まれてくるかもしれません。

たとえば、情報を伝えた後に、部下がどんなふうに受け止めたかを聞いてみようと思うかもしれません。そしてその行動は、また違う部下との関わりに発展する可能性もあるでしょう。

働き方自体が変化している現在、私たち自身も変化する必要があります。そのためには、まず自分自身の状態を観察し、自分がいま何をしようとしているのかを立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。

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