さまざまな分野においてプロフェッショナルとして活躍する方たちに Hello, Coaching! 編集部がインタビューしました。
【こばかな氏インタビュー】第1章 学び始めてすぐに実感したコーチングの価値
2020年01月29日
※内容および所属・役職等は取材当時のものを掲載しています。
コーチングに関する情報をツイッターやnoteで発信している「こばかな」さんは、THE GUILD所属するUX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナー。「コーチングはとてもいいものなので、たくさんの人に知ってもらいたい。だからコーチングの『布教』活動をしています」とのこと。積極的な発信は、コーチングのUX改善の取組みの一環でもあります。
UXデザイナーだからこその観点で「コーチング」について分析するこばかなさんに、コーチングに興味をもった理由や、これからどんなことをしていきたいかなどについてお話をうかがいました。
第1章 | 学び始めてすぐに実感したコーチングの価値 |
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第2章 | コーチングはUXが悪い | 第3章 | コーチングをもっとあたりまえのものに |
本記事は2019年7月の取材に基づき作成しています。
内容および所属・役職等は取材当時のものを掲載しています。
第1章 学び始めてすぐに実感したコーチングの価値
第1章では、UXデザイナーであるこばかなさんが、コーチングを学ぼうと考えたきっかけを中心にお話を伺いました。
多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。DeNA、Art&Mobileを経て、現在はTHE GUILDでフリーランスのUI/UXデザイナー/コーチとして活躍。Twitterやnoteなどを通じて、コーチングについて積極的に発信。スタートアップの若手経営者に対するコーチングも提供している。
Twitter: @kobaka7 / Sketch: #kobaka7_sketch / note: kobaka7
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは
こばかなさんの本業はUXデザイナーです。最近、「UX」という言葉をよく目や耳にするようになったものの、わかっているようでわかっていないことの一つかもしれません。改めてどういうことなのか説明していただけるでしょうか。
こばかな UXの定義はいろいろあるのですが、わたし自身は「そのサービスや商材を知ってから忘れるまでのすべて」だと考えています。
iPhoneを例にとると、広告やテレビのCMなどで見て「iPhoneというものがあるらしい」と知ったその瞬間からUXは始まります。興味をもち「インターネットで調べてみよう」となって「調べる」。調べて「買ってみよう」となり、店舗に行く。店舗では接客の対応を受けて「買う」。家に持って帰り「箱を開ける」。この一連の流れはすべてUXです。さらに、iPhoneが壊れた時などにサポート対応してくれるカスタマーサポートの接客対応時の「体験」もUXです。
商品やサービスに接して顧客が体験するすべてがUXに含まれるわけですが、UXには全体のUXと小さなUXがあります。大きなUXに関わる意思決定は経営者や事業責任者、プロダクトオーナーやUXデザイナーと呼ばれる人たちが行い、webやアプリの「操作感がいい」「(アプリケーションの)速度が速い」といった判断はエンジニアが担当します。
コーチングに興味をもったきっかけはユーザーインタビュー
UXデザイナーであるこばかなさんが、どういうきっかけでコーチングをされるようになったのですか。
こばかな コーチングを始めたきっかけは、新しいアプリを作る中でのユーザーインタビューです。UXデザインのプロセスでは、サービスの改善ポイントを明らかにする、ユーザーにとって本当に価値があるのかを検証する、また、データから読み取れないインサイトや傾向を読み取るなどの目的で、実際の利用者にインタビューをするということがよくあります。さまざまなクライアントのところへ行って話を聞かせていただくのですが、ユーザーインタビューをする中で質問の難しさに直面しました。
インタビューするときには何らかの仮説をもって臨むため、話を聞きながら、どうしてもそちらに誘導したくなることがあるんです。そのことに気づいて、インタビューがうまくなるにはどうしたらいいんだろうと考えているときに「コーチング」に出会いました。
「質問する技術」があるようだというところから調べ始め、記事や本を読んだりするうちに「傾聴」というスキルがあることなども知りました。コーチングについて知る中で、エグゼクティブ・コーチングの存在も知り、ユーザーだけでなく経営者に対してもコーチングができたらすごく面白いだろうと思い、コーチングを勉強したいと思うようになりました。
note.com/kobaka7: コーチングとは何か図説してみた
経営者へのコーチングにも興味があったのですね。
こばかな いまの会社の社長である深津さん(THE GUILD社長 深津貴之氏)が経営者を相手にコンサルティングするのをみていて、経営者の悩みには共通のものがあるのではないかと思うようになりました。それをデータとして自分の中に蓄積し、経営者の考え方や悩みを理解したうえでデザインの仕事ができれば、UXデザイナーとしてかなり強みになるだろうと考えたのです。
ツイッター上で若手の経営者の方々とつながりがあったので「スタートアップ業界でコーチングしまくる人」になるのも面白そうだと思い「コーチングを勉強したい」とツイートしたところ、深津さんがそれを目にして「勉強しにいっていいよ」と言ってくれたんです。それで、2018年の8月からスクールに通い始めました。(*)
* こばかなさんは「コーチング」そのものを広めていくことに意義があるという考えから、ご自身のポリシーとして、どのスクールで学んだかについては公表していません。スクールでコーチングの基本を学んですぐに、キャリアに悩んでいる友人や一緒に仕事をしている人たちを対象にコーチングを始めました。「最近、コーチングというものを勉強しているのだけれど、実践したいのでやらせてくれないか?」と声をかけて、週に何人も電話だったり、会ったりしてコーチングを練習させてもらうようになりました。習い始めたばかりなのにもかかわらず、相手からとても感謝されることが多くて「コーチングって感謝されるぐらい成立するものなんだ、面白い」と早い段階で気づくことができたのも、よかったと思います。
もともとは自分のキャリアのために始めたのですが、実際に始めてみると相手の役に立つことが面白くなり、そこから仕事としてもコーチングをしたいと考えるようになりました。
(次章に続く)
聞き手・撮影: Hello Coaching!編集部
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