リーダーシップとは、リーダーという立場にある人だけに必要なものではありません。どんな役割、立場にある人にも、リーダーシップが求められます。優れたリーダーは、周囲とどのように関わり、どのように物事を推進しているのか。ワークに取り組みながら、コーチング型リーダーのコミュニケーションについて学ぶためのミニ講座です。
【コーチング型リーダーのコミュニケーション】 第1回 「コーチング型アプローチ」とは?
2017年05月18日
リーダーシップミニ講座、シリーズ4のテーマは「コーチングフロー(コーチングの流れ)」です。
第1回 | 「コーチング型アプローチ」とは? |
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第2回 | コーチングの3原則 |
第3回 | コーチングの流れ |
第1回 「コーチング型アプローチ」とは?
「指示命令」、「上意下達」といった従来の一方通行的なアプローチだけでは、もはや通用しないのが近年のビジネスの現場です。
そんな中、リーダーシップ開発やマネジメント手法として、多くの企業に取り入れられているのが「コーチング型アプローチ」です。
「コーチング型アプローチ」とは、双方向のコミュニケーションを通して、メンバー、そして組織をより高い成功へと導く、新しいリーダーシップのかたちです。コーチング型アプローチの目的は、「個人、チーム、組織が最大の結果を出せるようにする」ことであり、具体的には、「相手の目標達成を促進するためのコミュニケーション」であるということもできます。
「コーチング型アプローチ」で最も重要なのは、「関係性を築く」というコンセプトです。相手との関係性を築くことができて初めて、一人ひとりの強みを見出したり、成長の機会を発見したりするなど、個人や組織が同時に成長する環境を構築することができるからです。
そのように関係性に重きをおく「コーチング型アプローチ」を成立させるためには、次の3つのことを大切にする必要があります。
コーチング型アプローチで大切にすべき3つのこと
1. 「目的」と「求める成果」を明確に共有すること
コーチング型アプローチでは、それがコーチング・セッションという形であれ、日常的な会話の中であれ、まず「目的」と「成果」を具体化することが前提となります。そして、それらを明確に共有することで、「達成に向けてのパートナーシップ」のはじめの一歩を踏み出すことができます。まずは、どんな目的で、どんな成果を手に入れたいのかを明確化し、共有していることが、コーチング型アプローチにおけるもっとも重要な基礎となります。
2. 「正直」で「信頼」のおける関係とつながりを築くこと
「コーチング型アプローチ」の実現とは、あらゆる可能性を発揮する状態をつくること、とも言えます。そのためには、「正直さ」と「信頼」に基づいた関係性が必要です。それは、双方向につくり出すものであり、部下に限らず、上司や同僚に対しても意識し、実践していくことが必要です。「コーチング型アプローチ」における信頼関係とは、「お互いのことを尊重し、信頼をもって、理解し合い、共有し合う、協力的な関係」ですが、重要なのは、「信頼関係」とは具体的にはどういうことなのかを前もって互いに理解し合うことです。
3. 相手に「サポート」「配慮」「敬意」を示すこと
「コーチング型アプローチ」では、関わる相手の誰に対しても、常にサポート、配慮、敬意を示していることが必要です。それによって、率直でオープンなコミュニケーションを促し、組織の発展に必要不可欠な斬新なアイディアを発掘することができるようになります。たとえば、実現の可能性が低そうなアイディアでも、頭ごなしに否定せず、敬意をもって共に検討することにより、他の可能性や選択肢を探し続けるきっかけにすることができるのです。
こうした前提を念頭に、「コーチング型アプローチ」の具体的な実践としての「コーチングの3原則」と「コーチングフロー」を学んでいきます。
「コーチング型アプローチ」を磨くミニワーク
次の3つについて、現状を振り返り、バージョンアップを目指しましょう。
- 「目的」と「求める成果」を明確に共有すること
- 「正直」で「信頼」のおける関係とつながりを築くこと
- 相手に「サポート」「配慮」「敬意」を示すこと
質問1
理想を100点として、1~3のそれぞれについて、現状どのくらいできているでしょうか?
点数がもっとも高い項目はどれですか? 逆にもっとも点数が低い項目はどれですか?
質問2
3つのうち、最も磨きをかけたい項目を1つ選び、具体的なアクションを実行してみましょう。
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