コーチングツール活用講座

部下などに対するコーチングの実践やセルフコーチングに使えるさまざまなツールを紹介するコーナーです。ツールをうまく使いこなして、コーチングをレベルアップさせましょう。


エネルギーマネジメントでパフォーマンスアップ!(1)~ まず、エネルギー漏れを防げ!

エネルギーマネジメントでパフォーマンスアップ!(1)~ まず、エネルギー漏れを防げ!
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(1) まず、エネルギー漏れを防げ!
(2) エネルギーを効果的に活用する!
(3) 新たなエネルギー源を確保する!

エネルギーマネジメントとは?

ゴールに向けて、何をするか、それをどうやるか。

そうした計画、戦略、必要なスキル・知識の習得はたしかに大切です。しかし、それらが揃えば順調に行動してゴールを達成できるかというと、そうでもないことは、皆さんも経験があることと思います。

そんなときに、ぜひ注目したいこと。

それが今回のテーマ「エネルギーマネジメント」です。

エネルギーはガソリンと同じ 

ここでちょっと、ゴールに向けた行動を車のドライブに例えて考えてみましょう。

まず行き先を決め、そこまでのドライブ計画を立て、車を用意・整備する。(計画・戦略・準備)

もちろん免許もドライビングテクニック、カーナビもバッチリ。(必要なスキル・知識・情報)

渋滞や事故に備えて、第2ルート、第3ルートも計画済み。(リスクマネジメント)

そして、出発!

ところが...

「あ、ガソリンが足りない。」
もしくは
「あ〜、昨日の寝不足がたたって眠くなってきた。このまま運転するのは危ないな...」

そして、車は止まってしまう。

つまり、注目すべき問題は「エネルギー」です。順調に進むには、ガソリンも元気も満タンな状態が必要です。

さまざまな場面でエネルギーは奪われている 

では、日常生活に話題を戻しましょう。

日々の活動をするだけでも、多くのエネルギーを使います。それに加え、新しい行動を起こしたり、チャレンジしていくには、かなりのエネルギーが必要です。

一方で、気がかりや人間関係など、ちょっとした些細なことが私たちのエネルギーを奪います。

ですから、行動を継続し、前進し続けるには、常にエネルギーの状態に気を配り良い状態を保つこと、つまり「エネルギーマネジメント」が必要となります。

そこで、今回ご紹介するのが、エネルギーマネジメントに使えるコーチングツールとエネルギーマネジメントのための以下の3つのアプローチです。

  1. エネルギー漏れを防ぐ
  2. エネルギーを有効活用する
  3. 新たなエネルギーを得る

それぞれの取り組みで使えるツールと実行のヒントを、3回連続でお届けします。

まずは、エネルギーマネジメントのファーストステップ「エネルギー漏れを防ぐ」についてみていきましょう。

まず取り掛かるのは、「エネルギー漏れ」

力を発揮したいのに、知らず知らずのうちにエネルギーが奪われていく...

あなたにもそんな経験はないでしょうか?

たとえば、穴の空いたコップに水をいくら注いでも、コップの水はたまりません。たとえ一つひとつの穴は小さかったとしても、それが多ければ、水漏れはどんどんひどくなります。

必要なのは、穴をふさぎ、漏れを防ぐこと。

つまり、「エネルギー漏れをなくす」。これが、エネルギーマネジメントにおいて、まず取り組むべきことです。

そのために役立つツールを2つご紹介しましょう。

1. 未完了をなくす 

エネルギー漏れを起こさせる代表的な穴の一つ、それが「未完了」です。

未完了とは、たとえば次のような事柄や気がかりです。

  • 返信していないメール、返事を書いていない手紙
  • 借りたままになっているもの
  • 決断をペンディングにしたままの案件
  • 伝えるべきお礼や謝罪をしていないこと
  • 様子が気になりつつ声をかけ損ねている部下がいること

こうした未完了はいつも頭の中の一角を陣取り、私たちの注意やエネルギーを奪い続けます。一方で、こうした未完了を一つでも完了させることで、私たちはエネルギーの高まりを感じることができます。

そこで役立つのがこのツールです。

未完了をなくす(Test.jp 内「コーチヴィル」より

このツールでは、未完了を書き出し、それを完了させることに取り組みます。

やることはシンプルですが、効果は絶大。そして、ちょっとコツがいります。

たとえば、

  • 比較的取り組みやすいものから取りかかること
    いきなり大きな未完了から取り組むと、気持ちも足取りも重くなります。小さなことでも完了するとエネルギーは確実に上がります。まずはそれで勢いをつけていきましょう!
  • 全部、すぐに、完璧に、は手放すこと
    一つひとつは些細なことでも、全部を、すぐに、完璧に完了させるのは無理です。むしろそのこと自体がプレッシャーとなり、新たな未完了を生むことになります。優先順位をつけること、場合によっては、取捨選択も必要です。ポイントは「それを完了すればエネルギーが上がるかどうか」。場合によっては、「この未完了にはあえて今は取り組まない」と決めることも一つの完了です。
  • 新たな「未完了」を生み出さない仕組みを
    未完了の完了に取り組んでいると、自分の癖のようなものに気づきます。たとえば、提出期限に遅れがち、返信をためがち、といったものです。その傾向をつかんだら、新たな未完了を生み出さないための仕組みをつくると有効です。

ぜひ、まずはいくつかの未完了の完了に取り組んでみてください。

完了し、リストにチェックをつける瞬間、エネルギーの高まりを感じるはずです。

2.「妥協」を減らす

私たちのエネルギーを奪いとるもうひとつの代表的な穴、それが「妥協」です。

意識的にも、また無意識にも、私たちは案外多くのことを妥協しています。

「これで我慢しておこう」「まあ、いいか」「仕方ない」と我慢したり、なかったことにしてしまう場合はないでしょうか。たとえば、次のようなことです。

  • 仕事がしにくい職場のレイアウト
  • 同僚の気になる言動(電話の邪魔になるほど声が大きい、ちょっとだけ遅刻してくるなど)
  • 出席の必要を感じないが、なんとなく出ている毎週の会議

さて、あなたは日々どんな妥協をしているでしょうか?
もっともエネルギーを奪っている妥協はどれでしょうか?

そんな妥協を書き出し、見つめ直すためのツールがこちらです。

妥協しない(Test.jp 内「コーチヴィル」より

このツールでは、「家庭や環境」「人間関係」「仕事」の3領域について、自分がしている妥協を書き出します。その上で、一つひとつの妥協や妥協の核となっていることを明確にし、必要に応じて妥協を取り除く方策について検討します。

ここで注意すべき点があります。

実は、妥協には「妥協することで得ているメリット」があります。たとえば、先の例でいえば、

  • 仕事がしにくい職場のレイアウト
    レイアウト変更を提案・申請する手間、それについての反対意見への対応、実際のレイアウト変更の手間などを省くことができる
  • 同僚の気になる言動(電話の邪魔になるほど声が大きい、ちょっとだけ遅刻してくるなど)
    それを指摘する気まずさ、自分も指摘され返すのではないかという恐れなどを回避できる
  • 出席の必要を感じないが、なんとなく出ている会議
    断る手間、やる気がないのではと上司に思われる恐れの回避、これまでの行動を継続する安心感など

もし、現時点で、その妥協するメリットのほうが大きければ、その妥協はアリです。

必要なのは、エネルギーを奪う妥協をなくすこと。

妥協をリストアップ&整理して、エネルギーアップに有効な妥協の撲滅にぜひ取り組んでみてください。


いかがでしたか?

この「漏れを防ぐ」というのは、エネルギーマネジメントにおいて、比較的すぐに取りかかりやすく、また効果を実感しやすい取り組みです。ぜひこれを機に「エネルギー漏れストップ!」に取り組んでみてください。

次回は、「エネルギーを有効活用する」ために効果的なツールをご紹介します。

同じエネルギー量でも、使い方次第でその成果や有効性は大きく違ってきます。ツールを活用して、自分のエネルギー活用状況を把握し、エネルギーを有効活用する方法を模索します。


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