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質問のレパートリーを増やすには? 三択で知る、あなたの傾向

質問のレパートリーを増やすには? 三択で知る、あなたの傾向
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「どんな質問をするといいだろう...?」

面談や1on1の際、部下を目前に質問に迷った経験はないでしょうか。

相手が答えにくいんじゃないか?
同じことばかり質問してはいないか?

こんな思いを抱えながら会話を進めている人も案外少なくないでしょう。

たしかに、質問はその後の会話の展開を変える重要な役割を果たします。できるだけ効果的な質問をするには、自分の質問レパートリーを増やすことが有効だと思います。日曜大工などで、金槌、ドライバー、ノコギリと工具の種類が多ければ多いほど、作れるものの可能性が広がるのと似ています。

このコラムは、あなたの質問レパートリーを増やすワーク形式となっています。

まず、ある営業部に所属する上司と部下の面談の様子をストーリー仕立てでご紹介します。その後、上司が部下にする質問3パターンを選択式で提示します。

3つの質問の中から、あなたならどの質問をするか、ひとつを選んでクリックしてください。

その後、それぞれの質問がどんな意図で生まれたものかを解説します。

面談に遅刻する部下に、何を問うか?

16時05分。

営業課長の萩尾は腕時計から目を離し、会議室の扉を見た。若林が来る気配はまだない。毎週の1on1ミーティングを始めて半年。若林はたまに、少し遅れてくることがある。パソコンで若林のスケジュールを確認すると、15時半まで得意先で商談が入っている。余裕を持ってスケジュールを入れないのは若林の悪い癖だ。

あいつも入社6年目でもうすぐ30歳。提案書は着眼点のセンスがあるものの、細かい点でつめられていないことが多い。もう少し計画的になってもいいと思うが...。

萩尾は窓の外を見ながら、コーヒーを一口飲んだ。ただ、思い返すと自分も十数年前は上司から「もう少し計画的になれ」とよく言われていた。年と共に計画的になったものの、勢いで進んでいく若林の若さがうらやましいと思うこともある。

「すみません。遅くなりました」

ドアの方を見ると、若林が息を切らしながら部屋に入ってきた。軽く頭を下げながら、向かいの椅子に座る。

「萩尾さん、これどうぞ! 駅で美味しそうだったんで、買ってきました」

若林は、透明なフィルムで包まれた一口饅頭をひとつ机の上においた。

「これ買う時間があったら、もっと早く帰ってこいよ」

萩尾は饅頭を手にとる。

「すみません。でも、萩尾さん、これ好きでしょ?」

若林は笑顔で、もうひとつ饅頭を取り出した。おそらく自分用だろう。

「お前なあ...」

呆れつつも、こういう愛嬌が営業マンとしての若林の強みなんだろうとも思う。

「時間管理はビジネスマンの基本だぞ。お客さんとの打ち合わせには、遅れたりしてないよな」

萩尾が饅頭のフィルムをはがすと、つるつるした饅頭の頭が表れた。

「それは大丈夫です。ちゃんと時間は計算してますから」

上司との打ち合わせであれば遅れてもいいのか? と咎めようかと思ったが、饅頭を頬張る若林を見るとそれも馬鹿らしく思えて、萩尾は饅頭を口に放り込んだ。

「それで、お客さんとの商談はどうだった?」

「それなんですが...」

若林の声が急に重くなった。

「予定してた発注を少し減らしたいそうなんです。前回の商談ではそんなこと一言も聞いてなかったんですけど」

「先方はどのくらい減らすと言ってるんだ?」

「予定より15%減です。大口の輸出が減って、その影響とのことでした」

萩尾は頭の中でソロバンをはじく。15%減は痛いが、部署に大きな影響が出るような規模ではない。他でカバーすればなんとかなるだろう。ただ、萩尾の今期の目標達成には大きなブレーキだ。

「そうか。いつでも追加発注受けられるように、こまめに連絡とっておけよ」

「はい。ただ、あの雰囲気だとすぐの発注はなさそうです。受注できるものと思っていたので、正直想定外でした。四半期の僕の個人目標も、これだと達成できるかどうか...」

「他のお客さんで、見込みがあるところはどこなんだ?」

「今回の金額をカバーできるほどの案件は思いつかないです」

若林は頭の後ろをかきながら考え込んでいる。少し考えた後、萩尾は質問を投げかけた。

あなたなら、どの質問を選ぶか?

もし、あなたが上司の萩尾なら、どんな質問をするでしょうか?

これから、3つの質問を紹介します。あなたの考えた質問に近いものを、クリックしてください。

それぞれの質問の意図を順番に見ていきましょう。

質問A 若林自身は、今、どんなアイデアをもっているんだ?

この質問は、相手に自分で考えてもらうという「主体性」に視点を向けた質問です。

はじめから助け舟は出さず、どんなアイデアであっても表現してもらいたいという思いがあります。「〇〇さん」と主語を明確にして伝えるのは、自分の課題であることを認識してもらうためです。初めにこの質問をすることで、状況に対する相手の主体性に働きかけます。

質問B この件についてヒントを持っていそうな人は誰?

「他者を巻き込む」という行動の選択を広げるための質問です。

本人が一人で考えていても状況が変わらなさそうだと判断し、他の人との連携に目を向けてもらう意図があります。「第三者」の存在を加味した問いかけを重ねることで、一人で悩みがちな相手に、行動の選択肢を増やしてもらう効果があります。

質問C この状況を教訓に、営業マンとして学べることは何だ?

この質問は、今回限りの問題解決に入り込まず、長期的な視点での「能力開発」を重視しています。今回の件を今後に活かしてもらいたいという狙いがあります。たとえば、「予想通り売上が立たないことも見越して計画を立てる」といったリスク対応計画能力が向上することを期待しています。

他にはどんな質問ができそうか?

いかがだったでしょうか。

3つの質問は「主体性」「行動の選択肢」「能力開発」と、異なる意図によるものでした。

他にも考えられる意図としては、「計画の具体化」「客観的思考」「無意識の顕在化」なども考えられるでしょう。

質問の傾向や意図に良し悪しはありません。ただ、質問する側が意図を意識せず質問をするか否かには、大きな違いがあります。

というのも、質問者が意識をしないと、問う人が持つ「無意識の傾向」に流されて、偏った問いになることがあるからです。

たとえば、スピードを重視している人は、「納期への影響は?」「もっと早くするには?」など、時間や期限、即効性に関する質問が多くなります。

では、あなた自身の質問には、どんな傾向があるでしょうか?

3つの質問の選択は、あなた自身の質問の傾向を知る手始めになるでしょう。自分の質問の傾向を客観的に認識し続けていけば、質問のレパートリーは多彩なものになります。

新たな視点の質問は使い慣れないかもしれません。しかし、新しい質問によって、相手との間に、新しい会話を創り出せるのではないかと思います。

質問を大募集!(2/12に締め切りました)

読者から投稿された質問

多数のご投稿ありがとうございました。
読者の皆様からご投稿いただいた質問の一部をご紹介します。

質問
それで、いまはどんな気持ち(を感じる)?
一緒にリカバリーしたいが、私(萩尾)にどんなサポートができる?
後輩が同じような状況のときあなたはどんな声をかけますか?
過去にさかのぼれるとすると、どんなことをする?
過去に同じような事があった?
解決したとしたらどんな糸口から?
社長だったらどんなことをすると思うか?
どのくらい目標達成したい?
もしも、今回の顧客がもともといなかったとしたら、自分の目標を達成するために、今からどんなことができると思う?

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