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相手が変わると意識が変わる、意識が変わると組織が変わる

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「トップが代わると組織は変わる」

このフレーズは、みなさんもよく耳にされることがあると思います。しかし、そもそもなぜ、トップが代わると組織が変わると言えるのでしょうか。

トップが代わることによる、ビジョンや方針の新たな打ち出し、またそれに伴う戦略・戦術の変更といったことが、変化の事例として挙がるかもしれません。しかし実はそれ以上に見逃すことができないのが、トップと周囲の人との関わりの変化の組織に与える影響です。

組織は人で構成されています。組織の活動のほとんどはコミュニケーションで成り立っているといっても過言ではないでしょう。トップの交代による、組織内のコミュニケーション上の変化が周囲に及ぼす影響のインパクトは、一般に考えられているよりも大きいかもしれません。

では、トップが代わることで、具体的にどのようなコミュニケーション上の変化が起こるのでしょうか?

「問い」が変わる

一般に、トップのコミュニケーションは、大きく二つの領域に影響します。一つは、そのリーダーの投げかける「問い」です。

「利益」に高い関心をもつリーダーは、必然的に「利益」に関する話をたくさんするでしょう。また、周囲に対しても、利益に関する「問いかけ」をたくさんするようになります。

人の意識と行動は、問われた問いの方向に流れるものです。周囲の人間は、リーダーから発せられる「利益に関する問い」に影響され、利益に対する意識が高まり、日常的にそこに向けた思考や行動が増えていきます(※)。必然的に、組織全体の意識や行動は、リーダーの意識の方向に向いていくものです。

「リーダーが代われば、組織が変わる」背景には、リーダーの興味関心の向く方向の変化の影響があるといえるでしょう。

さて、もう一つのコミュニケーション上の変化とは何でしょうか。

「相手」が変わる

それは、コミュニケーションを交わす相手の変化です。

「このテーマについて、いったい誰と話すと有益なやり取りができるのか」

一般的には、そのテーマに関連する業務を管掌する人に話を聞くという選択肢が、一番最初に挙がるものです。しかし、門外漢だからこそ、新たな視点での意見が出てくるということもあり得ます。

社外からの新たにトップに就任したケースなどでは、周囲の人間に対する先入観がありません。そのため、さまざまな人たちから意見を聞き、その結果、思いもかけない人物がキーパーソンとして浮上する、といったこともよくあるようです。

あなたに必要な人はどこにいるのか

トップが代わると、なぜ組織が変わるのか。その理由を紐解いてきましたが、意図的に自ら話す相手を変えていくという発想は、組織に変化をもたらす上で極めて有効なアプローチの一つと言えるのではないでしょうか。

コミュニケーションの相手を変えることは、私たちにもすぐに取り入れることができます。では、変化につながるコミュニケーションの相手を探すにはどうすればいいのでしょうか。

まずは自らの周囲にどのような人物が存在しているのかを把握します。

  • 誰がどの分野に精通しているのか?
  • 誰がどういう得意領域を有しているのか?
  • 柔軟で新しい発想をしやすい人は誰なのか?
  • あえて厳しい内容のフィードバックしてくれそうな人は誰なのか? 

など。

普段からこうした様々な視点を意識しながら周囲を観察すること、そして「対話」を通してどの人がどういう強みや特性を持っているのかを理解しておくことが大切です。

人間関係を考えるときによく耳にする『2:7:1の法則』というものがあります。これは、周囲に10人の人がいる場合、2人は気の合う人、7人はどちらでもない人、1人は気の合わない人である、という法則です。周囲のすべての人とよい関係を築くことはそもそも難しいことを説明するときに使われます。

しかし、別の観点から見れば、「気の合わない人」だからこそ、異質と異質の交わりから新しいアイディアや変化が生み出される可能性があります。そう考えると、これまで「気の合わない人」と切り捨てていた人の見え方が、ガラリと変わるのではないでしょうか。

変化を共創するコミュニケーションの相手を再考する観点から、この法則を活用してみても面白いかもしれません。

* * *

リーダーは限られた時間の中で、シンプルにいうと「誰」と、「何について」、どの程度の「頻度」でコミュニケーションをしていくのか、常にこの3つをコミュニケーション戦略として考える必要があると思います。

変化を前提に「誰」に焦点をあてたとき、あなたの頭に浮かぶ人は誰ですか。

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