リーダーシップとは、リーダーという立場にある人だけに必要なものではありません。どんな役割、立場にある人にも、リーダーシップが求められます。優れたリーダーは、周囲とどのように関わり、どのように物事を推進しているのか。ワークに取り組みながら、コーチング型リーダーのコミュニケーションについて学ぶためのミニ講座です。
【信頼関係を築く】 第4回 公平に接する
2017年02月23日
リーダーシップミニ講座、最初のシリーズのテーマは「信頼関係を築く」(全5回)です。
第1回 | 「信頼」はどのように醸成されるのか? |
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第2回 | 心からの気遣いを示す |
第3回 | 誠実さを心がける |
第4回 | 公平に接する |
第5回 | 「クリエイティビティを発揮する自由」と「リスクをとる自由」を与える |
第4回 公平に接する
信頼関係は、「チームの一員である」と感じることで育まれます。帰属意識がなかったり、他のメンバーほど帰属意識が強くないと感じていたりすると、そこにおける信頼関係は弱まります。
リーダーが、チームメンバーを公平に見ていなかったり、自分の好みによって特定の人を優位に立たせたりすると、信頼および良好な人間関係はすぐに損なわれます。
メンバーの誰もが、公平で平等な扱いを受けていると確実に感じるためには、リーダーとして以下のような取り組みが必要です。
1. チームメンバーを対等に扱う
あなたには特別な才能があるように、あなたの部下もそれぞれに特別な才能をもっています。
チームに対するメンバー一人一人の貢献を認め、それを言葉にして伝えること、そして、公平に評価することが必要です。
2. 特定の人を特別扱いしない
特別扱いほど、信頼を損ねるものはありません。ことに、それが個々の貢献度ではなく、その人個人の個性によるものである場合はなおさらです。
リーダーの務めは、日頃から一人ひとりの成果を認め、それを評価することです。そして、そのときに、一部の人の成果だけでなく、すべての成果に対して行うことが大切です。
また、失敗も公平に扱い、成長を促すフィードバックをするようにしましょう。
そして、自分の部下と交流するときには、個別の交流は避け、チーム全体で交流するようにする必要があります。
また、チームメンバーとの友情が、リーダーシップの原動力にならないようにすること。むしろ、成果や功績、そしてチームワークを、チームやチームメンバーの原動力とすることが必要です。
3. 公平に時間を割く
あなたの時間やエネルギーが、チームメンバー全員に、必ず平等に行き渡るように注力しましょう。支援であれ、うまくいったことへのアクノレッジメントであれ、向けるエネルギーに差はありません。
4. 情報を公平に共有する
共有してもいい情報であれば、いつでもチーム全員で共有すべきです。やむを得ない理由がない限り、一部のメンバーだけで情報を共有するのはタブーです。
情報を公平に共有すると、メンバーは自分が立派なチームの一員だと感じます。リーダーとしても、情報が自分以外の誰かからうっかり漏れてしまうリスクを軽減することができます。
さて、上記の4つを、あなた自身は、いま、どのくらい実現できているでしょうか。もし課題があるとしたら、どんなところにあるでしょうか。
信頼関係を強化するミニワーク
それぞれの素晴らしさに敬意を払う。
チームメンバーの名前を全員書き出し、その横にそれぞれの貢献や強みを書き出します。そして、それを言葉にして伝え、一人ひとりに、感謝とアクノレッジを伝えましょう。もちろん、チームメンバー全員が対象です。
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