リーダーシップとは、リーダーという立場にある人だけに必要なものではありません。どんな役割、立場にある人にも、リーダーシップが求められます。優れたリーダーは、周囲とどのように関わり、どのように物事を推進しているのか。ワークに取り組みながら、コーチング型リーダーのコミュニケーションについて学ぶためのミニ講座です。
【信頼関係を築く】 第2回 心からの気遣いを示す
2017年02月07日
リーダーシップミニ講座、最初のシリーズのテーマは「信頼関係を築く」(全5回)です。
第1回 | 「信頼」はどのように醸成されるのか? |
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第2回 | 心からの気遣いを示す |
第3回 | 誠実さを心がける |
第4回 | 公平に接する |
第5回 | 「クリエイティビティを発揮する自由」と「リスクをとる自由」を与える |
第2回 心からの気遣いを示す
成功しているリーダーは、人間の本質を理解しています。
人はそもそも、他人を気にかけたり、他人から気にかけられたりすることを望むものです。自分が、大切な存在であることを確認したいのです。
実際、リーダーが自分を気にかけてくれていると感じたときにもっともよい成果をあげる、ということが調査結果にも出ています。
ここまでは、誰もが「知っていること」です。
しかし、残念ながら、日々の多忙な仕事環境の中で、私たちは、こうした基本的なことをつい忘れてしまう傾向にあります。特に人材が不足していたり、チームの実力以上の成果を要求されたりする場合は、特にこのことを意識しなくてはなりません。
つまり、どんないそがしさの渦中にあっても、リーダーは、次のような具体的な取り組みを通して、チームおよび各チームメンバーに対して、心からの気遣いを見せる必要があります。
1. チームメンバーのそれぞれが大切にしていることを知り、定期的にそのことについて尋ねる
家族から趣味まで、チームメンバーのに個人的な側面についても知り、折に触れ、尋ねることは、彼らに関心を寄せていることを示す最高の表現方法です。
もちろん、関心は心から示す必要があります。そうすることで、チームメンバーに「気にかけている」ということを示すだけでなく、チームメンバーの動機や価値観についての情報を得ることもできます。これはチームメンバーを知るために、とても効果的な方法です。
ただ、個人よって、距離のもち方には好みがあるので、無理な距離のもち方を強制しないことも重要です。ただ、本当の意味で信頼関係を築くには、どこかで個人的側面へのアプローチが重要な意味をもちます。
チームメンバーからすれば、仕事の生産性ばかりでなく、人として気にかけてもらっていることを実感するため、リーダーへの信頼にもつながります。
2. 毎朝、各メンバーの様子を確認する
調子はどうか?
その日のスケジュールはどうなっているか?
メンバーがリーダーに報告すべきことはないか?
メンバーに報告すべきことは何か?
ひとりに3-5分ほどの時間を投資するだけで、信頼だけでなく人間関係も築かれ、さらに系統だった情報交換まで行うことができます。
3. 常にチームの責任と業績を把握し、そのことについて頻繁にコミュニケーションをとる
チームが真価を認めるリーダーとは、時には距離を保ち、見通しや成果についてメンバーとコミュニケーションをはかり、目標の見直しを行い、チームの達成度を把握し、チームの業績向上を激励する人です。
リーダーが自ら大きなビジョンをもち、チームと共に、またチームのために、その大きなビジョンに対するオーナーシップを抱いていることを示すと、チームは「確実に成果を上げることができる」と実感するようになります。
4. チームに対して、また個人に対して、頻繁にインフォーマルなフィードバックを行う
チームもメンバー個人も、「自分たちはよくやっている」ということを知りたいものです。
リーダーが、日頃見ていて気がついたことを伝えることは、チームとメンバーの双方にとって、リーダーが業績を気にかけてくれている、彼らの貢献は意味があると信じている、という意味で、欠かせないものです。
特にポジティブなフィードバックを頻繁に行うことです。
さて、上記4つ、あなた自身は、今どのくらい実現できているでしょうか。もしあるとしたら、課題はどんなところにあるでしょうか。
信頼関係を強化するミニワーク
上司としてのあり方
部下が話したい時、相談したい時、いつでも気軽い声がかけられる存在であること。それも、上司としてのひとつの気遣いです。
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