リーダーシップとは、リーダーという立場にある人だけに必要なものではありません。どんな役割、立場にある人にも、リーダーシップが求められます。優れたリーダーは、周囲とどのように関わり、どのように物事を推進しているのか。ワークに取り組みながら、コーチング型リーダーのコミュニケーションについて学ぶためのミニ講座です。
【アクノレッジメント】 第3回 相手の「成果」「行動」「成長」をアクノレッジする
2017年09月28日
リーダーシップミニ講座、シリーズ7のテーマは「アクノレッジメント」です。
第1回 | アクノレッジメント(承認)とは? |
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第2回 | まず相手の「存在」をアクノレッジする |
第3回 | 相手の「成果」「行動」「成長」をアクノレッジする |
第4回 | アクノレッジメントのバリエーションを持つ |
第5回 | アクノレッジメントの文化を築く |
第3回 相手の「行動」「成果」「成長」をアクノレッジする
今回注目するのは、「行動」「成果」「成長」に対するアクノレッジメントです。
まずはそれぞれについて簡単に確認しておきましょう。
行動承認
相手がとった望ましい行動やこれから成果につながりそうな行動について伝えるアクノレッジメントです。
成果承認
相手が何か成果を出したときに、達成したことを認めるアクノレッジメントです。
成長承認
目標達成を目指す上で現状どこまで来られたか、つまり成長をフィードバックするアクノレッジメントです。
実際に達成したことや成し遂げたことについて扱う「成果承認」は、達成や成果の実感を強く印象づけます。日常的にもよく使われるので、馴染みやすく、また、そのタイミングもわかりやすいので、3つのうち、最もしやすいアクノレッジメントと言えるでしょう。
それに対し、「行動承認」と「成長承認」は、まだ成果まではいかなくとも、「成果に向けて確実に前進している」ということをアクノレッジします。これらは注意深い観察なしには気づくことが難しく、それゆえに、「自分のことをよく見てくれている」という安心感や信頼感も醸成するアクノレッジメントとなります。
こうしたアクノレッジメントの伝える際に注意することとポイントも確認しておきましょう。
事実を伝える
相手が何を達成したか、どんな行動をしたかの「事実」を伝えること。心にもないことをアクノレッジすることを目的に伝えたり、実際よりも大げさに伝えるのは、逆効果です。
明確に伝える
相手が自分の変化や成果についてはっきりと認識できるように、できる限り、できればデータなども示しながら伝えると効果的です。
比較はしない
たとえば、「A君より優れている」などの比較を使うと、相手は受け取りにくくなります。それではせっかくのアクノレッジメントも台無しです。
相手に届くのを待つ
アクノレッジメントを伝えたら相手が受け入れるのを待ちます。相手の反応がすぐになくても、よく観察していることです。一瞬の表情の動きや声のトーンの変化を見逃さず意識します。
しっかりと観察する
最も効果的なアクノレッジメントは、相手が自分自身ではまだ気づいていないようなことを先に察知して伝えることです。この場合、自分のことをしっかりと見てくれていることが伝わり、伝えてくれた人への信頼も生まれます。
真のアクノレッジメントを実践するためのミニワーク
部下や周囲の人、一人ひとりについて、5つずつアクノレッジしたい「行動」「成果」「成長」を観察を通してリストアップし、実際に伝えましょう。そして、次のことを振り返ってください。
- 実際にどのくらいリストアップできますか?
- 「行動」「成果」「成長」についてのバランスはどうですか?
- あなたが得意なアクノレッジメントは3つのうちどれですか?
- あなたがさらに強化したいアクノレッジメントはどれですか?
注意!!
- アクノレッジするためのアクノレッジメントはいけません。心からアクノレッジしたいことが5つ出てくるまで取り組み続けてください。
- 5つ出揃うのを待つ必要はありません。1つずつ、タイムリーに伝えてください。
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