部下などに対するコーチングの実践やセルフコーチングに使えるさまざまなツールを紹介するコーナーです。ツールをうまく使いこなして、コーチングをレベルアップさせましょう。
「1on1」に活用できるコーチングツールシリーズ(2)~「1on1」のその後をサポート!だから対話が続く。
2019年12月03日
「1on1 ミーティング」で話が盛り上がり、
「いろいろと気づきました!」
「がんばります!」
と、意気揚々と仕事に戻っていく部下の姿にひと安心。
さて、次回どんな成果を聞けるだろうと楽しみにしていたにも関わらず、実際には何も進んでいなかった...。
そんな経験はないでしょうか。
でも、部下にしてみれば、現場に戻れば忙しさと想定外の出来事の連続。どうしても目の前のことに対応せざるをえず、次第に上司との「1on1 ミーティング」で扱ったテーマや発見、アイデアへの意識がうすれていくのは、ある意味、自然なことかもしれません。
だからこそ、「1on1 ミーティング」のように、定期的に時間をとって改めて話す(リマインドする)機会を設けることが重要なのですが、毎回、反省&ふりだしスタートでは、部下も上司がどんどん気が重くなってしまいます。その結果、やがて「1on1」は自然消滅となることは、実はよくある話です。
シリーズ(2)の今回は、「1on1」と「1on1」の間、テーマについて考え続け行動を起こすための「仕組み」などについてご紹介します。
「1on1」に活用できるコーチングツールシリーズ(全3回)
(1) | 相手を知る。自分を知る。だから対話が深まる。 |
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(2) | 「1on1」のその後をサポート!だから対話が続く。 |
(3) | 「1on1」に新風を!だから対話が広がる。 |
行動を起こしたくなる仕組み
そこで備えたいのが、「1on1」と「1on1」の間、テーマについて考え続け行動を起こすための「仕組み」です。
途中で3分間コーチや声がけを実施するなど、上司が直接関わることもできますが、それとは別に、本人が「自走できる環境」も整えたいものです。
そこで活躍するのが、たとえばこんなコーチングツールです。
アクションプラン(Test.jp 内「コーチヴィル」より)
これは、アクションプランを書き出し、実際取り組んだらチェックするというとてもシンプルなチェックリストですが、シンプルゆえに取り入れやすく、シンプルなのに意外と効くという優れもの。取り組むことを可視化することで、リマインドツールとして活用できるほか、効果的な「1on1」実施にも活用できます。
たとえば、あなたは部下との「1on1」面談、いつもどんな風に終わらせているでしょうか?
案外多いのが、「気づきました」や「やってみようと思います」というレベルで終了するというパターンです。それだけでは曖昧だったり、実態のないプランであるため、すぐに取り組みにくく、それゆえに後回しにしてしまうことに陥りやすいのです。
とはいえ、毎回、
「具合的に何をしますか?」
「どのくらい本気でする気ですか?」
などと問いつめるような形もいただけません。
そんなとき、こうしたツールがあれば、自然と「何に取り組むか」、具体的にアクションプランにするプロセスを持つことができます。
(「1on1」の中で一緒に扱う形でも、「1on1」後本人に言語化してもらう形でもOKです。後者の場合は、コピーを共有してもらうといいでしょう。)
実は、こうして言語化&共有しておくことで、途中、上司からも声がけしやすくなります。
共有するものが何もない中で「その後どう?」と声がけすると、場合によっては単なる催促と受け取られることも。リストとして共有することで、それを間に挟んでのコミュニケーションがしやすくなるのです。
また、このツールでは、アクションリストをつくるほか、アクションを起こすにあたり「必要な手続き」「必要なリソース」「達成した時のメリット」を棚卸しすることもできるので、アクションプランを実行しやすい環境を整えることにも役立てることができます。
そもそもの前提に立ち戻る
焦点を当てるためのアセスメント(Test.jp 内「コーチヴィル」より)
「忘れてしまう...」
「忙しい中、優先順位が下がってしまう...」
これらを防ぐ方法の1つは書き留めること。
たとえばこのツールのようなシートをつくり、毎朝チェックすることで自分で自分にリマインドをすることができます。
このツールで書き出すのは、「ミッション」や「目標」など、先のツールに比べるともう少し長期的なもの。そして、「価値観」や「うまくいくための習慣」など、日々の活動の前提となるものです。
アクションプランが具体的になればなるほど私たちの意識は詳細に向けられ、それに没頭するあまりに、気がつけばいつの間にか本来の目的から外れていた、といったことが起こる危険性もあります。
そこで、長期ビジョンや前提を合わせて意識する仕組みを持っておくことで、目的や方向性を見失うことなく、日々一つひとつ、思考・行動していくことができるようになります。また、「1on1」に連続性を持たせることにも役立ちます。
いかがでしたか?
「1on1」の間の行動・達成が増えれば、「1on1」は自然と盛り上がり、深まります!
また、「1on1」を日々の活動と連動させ、連続性を持たせることで、単発の業務相談ではなく、「1on1」本来の目的である「長期的な取り組みや成長を支援する機会」とすることができます。
さて、次回のテーマは、「『1on1』に新風を!だから対話が広がる」です。
「1on1」を、普段と変わらぬ「業務相談」では終わらせないための話題づくり、テーマ発見に使えるおすすめツールを3つご紹介します。「1on1」に活用できるコーチングツールシリーズ(3)~ 「1on1」に新風を!だから対話が広がる。>>
参考情報
Coach's View
1on1面談を成功させる「進捗のループ」とは?
「1on1」が続かない原因は「忙しさ」でも「上司・部下の関係性の悪さ」ではなく、「『1on1』面談に価値を感じないから」!
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