リーダーシップとは、リーダーという立場にある人だけに必要なものではありません。どんな役割、立場にある人にも、リーダーシップが求められます。優れたリーダーは、周囲とどのように関わり、どのように物事を推進しているのか。ワークに取り組みながら、コーチング型リーダーのコミュニケーションについて学ぶためのミニ講座です。
【コーチング型フィードバック】 第6回 フィードバックプロセスに受け手も参加させる
2017年07月13日
リーダーシップミニ講座、シリーズ5のテーマは「フィードバック」です。
第1回 | フィードバックは、目標達成に向けた成長のためのコミュニケーション |
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第2回 | 目標達成に向ける |
第3回 | 率直に、正直に、相手に敬意を示す |
第4回 | 事実に基づいて伝える |
第5回 | 相手の成長に向けて建設的に伝える |
第6回 | フィードバックプロセスに受け手も参加させる |
第7回 | 自分自身もフィードバックを受ける |
第6回 フィードバックプロセスに受け手も参加させる
コーチング型リーダーは、フィードバックも双方向に行います。そうすることによって受け手は、「受け入れられている」と感じ、フィードバックをもとに、自分の成長へのプロセスを積極的に組み立てるようになります。
それでは、フィードバックのプロセスを確認していきます。
ステップ1 セットアップ
どの目標達成に向けての、何についてのフィードバックかを具体的に共有します。
そして、相手がフィードバックを受けとる準備をするための時間を提供します。
ステップ2 ゴールの明確化と共有
これからの会話において、「何をゴールとするか」について話し合います。
フィードバックを通して、相手が、「何を手にしたいか」、「何について話し合いたいのか」、「何を学びたいか」をともに具体化して、共有します。
ステップ3 「事実」を共有、確認する
フィードバックの内容を伝えます。感想や意見ではなく、「事実」を具体的に、データに基づいて、記述的に伝えます。そして、その「事実」がどんな影響を及ぼしているかについても伝えます。
このとき、一方的に伝えるのではなく、相手も会話に参加できるようにし、また、内容に「同意する・しない」の選択肢を与えるようにします。そして、その事実からどんなことが学べるかについても話し合います。
ステップ4 可能性、成長、学習、アクションプランを検討する
ステップ3で話し合った内容をもとに、目標達成に向けて、どのような変化、成長、行動が必要かについて、相手が話すステップです。具体的には、次のようなことを話すことを促します。
「どのような成長が必要か」
「そのために具体的にどう取り組むか」
「そこから何を学べるか」
「それが本人の成功や仕事上での成長にどのように結びつくか」
ここでは、必要に応じてあなた自身の考え方も提供できるように準備しておくことが必要です。あなたの考えを伝える際には、話す前に相手がそれを必要としているかどうかを確認するようにしましょう。そして、相手とこれから先の成長について信じているところから話すことが重要です。
ステップ5 まとめ
ここまでのディスカッションで明確になったことについて、一緒にまとめる時間をとります。そして、相手に変化が起こったかどうかも確認します。
ここは、相手がディスカッションの方向性に満足しているかを聞くいいタイミングでもあります。
ステップ6 行動を決める
相手が次にどのような行動をとるかについて聞きます。話を進める際には、相手が具体的なアクションや変化について自ら考えるようにしましょう。相手が、自分自身で責任と確信をもって取り組めるプランになるまで会話を続けます。
ステップ7 今後のスケジュールを明らかにする
受け手が、責任をもって実践できるような構造をつくります。
合わせて、サポートが必要かどうかを聞き、それに応じて、次にいつ話すのかを約束します。
こうしたステップは、面談など時間をとってまとめて話すとき以外、たとえば部下と廊下ですれ違ったり、部下が意見を求めてやってきたりするといった短い会話の中でも展開させることができます。大事なのは次の5つのポイントです。
- 具体的な「事実」に基づいてフィードバックを行う
- 部下からどのように受け取ったかを聞く
- フィードバックを受けて具体的にどのようなアクションを起こすかを聞く
- そのことをアクノレッジする
- 必要に応じて、サポートを申し出る(次に話す機会を約束する)
フィードバックを機能させるにはタイミングが重要です。大きな課題についてのフィードバックは、コーチングセッションや面談などで伝え、ちょっとした気づきは、その場ですぐに伝えることが重要です。
効果的なフィードバックをするためのミニワーク
普段の自分のフィードバックを振り返り、フィードバックの7ステップのうち、
- どのステップを実践しているか
- どのステップはあまり実践していないか
を振り返ります。
そして、実践していないステップを具体的にどうするかを考え、実際のフィードバックの場面に活かしましょう。
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