リーダーシップミニ講座

リーダーシップとは、リーダーという立場にある人だけに必要なものではありません。どんな役割、立場にある人にも、リーダーシップが求められます。優れたリーダーは、周囲とどのように関わり、どのように物事を推進しているのか。ワークに取り組みながら、コーチ型リーダーのコミュニケーションについて学ぶためのミニ講座です。


コーチ型リーダーは創造的に聞く 第2回 先入観をもたずに、ニュートラルに耳を傾ける

コーチ型リーダーは創造的に聞く 第2回 先入観をもたずに、ニュートラルに耳を傾ける

リーダーシップミニ講座、シリーズ6のテーマは「聞く」パート2です。このシリーズでは、マスターレベルの「聞くスキル」について学びます。

※「聞く」パート1『リーダーとして聞く力を磨く』はこちら

第1回 はじめに
第2回 先入観をもたずに、ニュートラルに耳を傾ける
第3回 相手の「言葉」とその「背景」の両方に耳を傾ける
第4回 相手の「スタイル」や「視点」を理解しようと耳を傾ける
第5回 相手の「意図」を確実に理解するために質問する
第6回 相手の「言葉」とその「背景」の両方に応える

第2回 先入観をもたずに、ニュートラルに耳を傾ける

コーチ型の「聞く」リーダーは、自らが率いるチームを関する情報を常に探求しています。しかし、聞くことから得られる知識は、歪曲される可能性があります。なぜなら、私たちは通常、聞いたことを「自分のフィルター」を通して解釈し、また、特定の目的や結果を念頭におおいて、知らず知らずのうちに「何を聞くか」を取捨選択しているためです。つまり、結果として、自分の聞きたいことを、聞きたいように聞いているにすぎないのです。

ですから、明確で正確な知識を得るためには、「先入観をもたずにニュートラルに耳を傾けること」に細心の注意を払う必要があるのです。

純粋に相手を聞き、そこから学ぶためには、静かなマインドで相手に集中しする必要があります(リーダーシップミニ講座「リーダーとして聞く力を磨く」)で確認しました。

今回は、さらにもう一つの側面をつけ加えます。それは、「あなたが知っていること」、そして「あなたが求めていること」が、聞き方にいかに影響を与えるかを理解することです。

フィルターの存在

相手の話を聞く上で、私たちはまず先入観や意図をもち、会話から何を得るかをあらかじめ決めているものです。これが頭の中で働いている「フィルター」であり、ともすれば、耳に入ってくる内容さえコントロールしてしまいます。また聞き手は、自らの過去の知識や体験、話の流れに基づいて物事を解釈しがちです。

創造的に聞くことができるリーダーは、自分が特定のアイディアや目的を持って相手の話を聞けば、そのアイディアや目的を支持する内容を自然と選んでしまうことを理解しています。ゆえに、会話を始める前に、まず、自分がもっているフィルターや先入観について認識し、それを抑え、ニュートラルに聞くことができる状態を意識的につくりだすことの重要性を理解しています。

「知らない」という技術

実は、「知らない」ということは、聞く上における重要な技術です。

もし、「私は課題や問題への答えを知っている」というスタンスで話を聞けば、自然と、自分の意見や判断に沿うような内容にのみ耳を傾けることになります。また、自分の意見へと相手を誘導するような質問をすることになるでしょう。

そうなれば、コミュニケーションは、「相手を理解し、相手から学ぶ」プロセスではなく、「聞き手が正しいことを証明する」プロセスになってしまいます。つまり、話し手が話を始める前に、もうその行く先は決まっていることになります。

反対に、「私は知らない」というスタンスで、ニュートラルに聞くことができれば、話し手が自由に絵を描くための白いキャンバスを提供することになります。そして、「知らない」ということは、そこに描かれる絵を十分に鑑賞することにもつながります。

そのため、創造的に聞くことができるリーダーは、会話の方向性を自分だけで決めたり、会話における全ての内容にあらかじめ回答を用意する代わりに、会話がどちらの方向に進むのかを話し手とともに探究するスタンスをとるのです。

創造的に聞くためのミニエクササイズ

次のエクササイズを通して、まずは自分がもっているフィルターや先入観、そして自分の聞き方について確認をしましょう。

毎日、2回、会話を選んで観察します。

それぞれの会話の後、自分が「何を聞いたか」、「どのように聞いたか」、「聞いたことをどのような解釈したか」を確認します。

Q.観察の結果、自分のフィルターについてどんなことに気づきましたか?

Q.そのフィルターはどのようなものでしたか?

Q.それらのフィルターは現在、職場でのあなたの聞き方にどのような影響を及ぼしていますか?

Q.どんな意図を持って会話に参加していましたか?

Q.「知らない」というスタンスをどのくらい持てましたか?

Q.自分の聞き方にどのようなパターンがありましたか?


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