リーダーシップとは、リーダーという立場にある人だけに必要なものではありません。どんな役割、立場にある人にも、リーダーシップが求められます。優れたリーダーは、周囲とどのように関わり、どのように物事を推進しているのか。ワークに取り組みながら、コーチング型リーダーのコミュニケーションについて学ぶためのミニ講座です。
【創造的に聞く】 第6回 相手の「言葉」とその「背景」の両方に応える
2017年09月07日
リーダーシップミニ講座、シリーズ6のテーマは「聞く」パート2です。このシリーズでは、マスターレベルの「聞くスキル」について学びます。
※「聞く」パート1『リーダーとして聞く力を磨く』はこちら
第1回 | 「相手の考え」を理解するために、具体的に「何に耳を傾けるか」を学ぶ |
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第2回 | 先入観をもたずに、ニュートラルに耳を傾ける |
第3回 | 相手の「言葉」とその「背景」の両方に耳を傾ける |
第4回 | 相手の「スタイル」や「視点」を理解しようと耳を傾ける |
第5回 | 相手の「意図」を確実に理解するために質問する |
第6回 | 相手の「言葉」とその「背景」の両方に応える |
第6回 相手の「言葉」とその「背景」の両方に応える
話を聞くという行為は、 聞いたことに対しての応答(レスポンス)をするまで、が1セットです。
言い換えるなら、聞くことは、次の2つの行為に分けられます。
- 何に耳を傾け、いかに深く聞くか
- 聞いたことにどのように応答するか
真に聞くためには、この両方をマスターしている必要があります。そこで、最後に、応答(レスポンス)についても検討しておきましょう。
効果的な応答(レスポンス)の特徴
応答(レスポンス)には、次のようなものが含まれます。
- 頷き、相槌
- 確認や探求のための質問
- 聞いたことに対する感想やコメント
効果的でない応答のレスポンスの前提は、「自分はすべてわかっている」です。聞き手がこの前提をもっていると、聞き方だけでなく、応答も「自分の正しさを証明する」ことに向くため、相手には、判断的・コントロール的なものとして伝わります。結果、このタイプの応答(レスポンス)は、相手のコミュニケーションの扉を閉ざしてしまいます。
これに対し、コーチング型リーダーは、ニュートラルな立場からの関心、探究と学習を前提とし、次のような特徴のある応答(レスポンス)をします。
無条件である
聞き手の視点、信念、目的、価値観を話し手に押しつけない。
親身である
相手がどのように感じているかについて理解を示し、決して断定的にはならず、相手への興味・関心にあふれている。
ニュートラルである
相手が正しいか否かを示唆しない。理解を示しながら、さらなる問いかけをし、あらゆる視点を受け入れるスペースを応答(レスポンス)によって創出する。
確認する
聞き手が聞いた内容をまとめ、その理解が正しいかを確認する。または、話し手の意図に近づけるために修正すべきかどうか意見を求める。(参考:「相手の意図を確実に理解するために質問する」)
創造的に聞くためのミニエクササイズ
お気づきの通り、応答(レスポンス)において大切にすべきことは、耳を傾ける際のポイントとも重なります。復習を兼ね、これまでの内容を読み返し、「相手から学ぶ」「判断しない」など、創造的に聞くためのポイントを洗い出しましょう。
そして、あなたの聞き方とレスポンスの方針を明確にするために次の文章を完成させてください。
私が話を聞くとき、
- 相手は_______________という体験をする。
- 相手は_______________と感じる。
相手へのレスポンスを通して、私は
- 相手に_________と思っていることを伝える。
文章を完成させたら、毎日、一日のはじめとおわりに見直してください。
Q.あなたの聞き方とレスポンスはこのとおりに実践できていますか?
Q.より効果的に実現するために、あなた自身、どのような試み、そして変化をしますか?
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