プロフェッショナルに聞く

さまざまな分野でプロフェッショナルとして活躍する方たちに、なぜその道を目指し、将来は何を実現したいと思っているのかについて語っていただきます。


野球経験ゼロから名門レッドソックスの日本人スカウトへ
ボストン・レッドソックス スカウト 嘉数駿 氏

第5回 誰でもスカウトになれる?

第5回 誰でもスカウトになれる?

ハーバード大学を卒業後、野球の世界に飛び込み、現在はボストン・レッドソックスのスカウトとして活躍する嘉数駿(かかず しゅん)氏。野球チームのスカウトとは、いったいどんな仕事なのか? 嘉数さんが野球の世界に飛び込んだ経緯から、今後のビジョンまで、お話をうかがいました。

第1回 『マネー・ボール』との出会いが人生を変えた
第2回 1年半にわたる就職活動
第3回 野球の世界で働き始める
第4回 スカウトの仕事
第5回 誰でもスカウトになれる?
第6回 優れたスカウトに求められる3つの能力
第7回 スカウトは何で評価されるのか?
第8回 日本のスカウト、アメリカのスカウト
第9回 もっと多くの人に野球を楽しんでもらいたい

第5回 誰でもスカウトになれる?

プレイヤーとしての能力だけでなく、人間的な部分を観ることも求められるスカウトの仕事。スカウトの採用にあたって、球団はどのようにスカウトの良し悪しを測るのでしょうか。

メジャーへの移籍のときなど、選手の代理人として交渉をする「エージェント」がいらっしゃると思いますが、スカウトはエージェントとの折衝もされるのでしょうか。

嘉数 エージェントとの折衝は、スカウトの仕事の一部分です。代理人、エージェントは、選手を「売る」側です。ある選手がメジャーリーグに行きたいと言っている場合、代理人を通じて金額の確認や交渉をします。

先ほど元プロ野球選手でなくても活躍できる仕事だとおっしゃっていましたが、スカウトには元選手ではない人も多いのでしょうか。

嘉数 とくにアメリカのメジャーリーグでは、元選手ではないスカウトが増えています。僕の感覚で恐縮ですが、2、3割は、元プロ野球選手ではない人たちがスカウトをしているのではないでしょうか。

昔は違っていたんですね。

嘉数 昔は、メジャーでもほぼ100%のスカウトが元プロ野球選手だったと思います。日本はいまでも変わりませんよ。ほぼ100%か99%くらいが、元プロ野球選手です。12球団の中で、プロ野球選手出身でないスカウトは何人かが、ぱっと数えられるくらいです。

メジャーリーグでは、ビジネスマンからスカウトになる人もいるのでしょうか。

嘉数 その可能性はあると思います。僕も最初は、日本語と英語ができるというところだけで採用されていますし、きっかけはいろいろあるのではないでしょうか。

日本の球団の場合はどうやってスカウトになるんですか?

嘉数 日本の球団では、元プロ野球選手がスカウトになることがほとんどですが、パターンで一番多いのは、「大学で野球をやっていたから」、「社会人野球でやっていたから」というケースです。その理由はコネクションです。スカウティングの目というのは、実はある程度訓練を積めばできるようになるので、能力というよりは、ネットワーク、コネクションをまず重視して採用されることが多いです。

ということは「この人はスカウトに向いている、向いていない」といった基準に基づいて採用されるわけではないということですね。

嘉数 ないですね。もちろん、入ってやらせてみたら、選手の能力を評価する目がすごくいいとか、そうでもないということはあると思いますが、あくまで結果です。入る段階では、誰が観察眼をもっているかなんて全然わからないし、テストもありません。最初のとっかかりはやはりコネクションとかネットワークといったところを大事にして採ることが多いかもしれません。

そういう中で、嘉数さんみたいに「スカウトをやりたい」という人が、手を挙げてやってくるのでしょうか。

嘉数 僕の場合は、日本語と英語ができることが重宝されて使ってもらえたので、とてもラッキーでした。この仕事をしたいという人はたくさんいると思うんですが、その中で誰を選ぶかといったときに、基準を設けるのがなかなか難しいんです。

次回に続く。毎週火曜日・木曜日に更新します(7/11まで)


※営利、非営利、イントラネットを問わず、本記事を許可なく複製、転用、販売など二次利用することを禁じます。

この記事はあなたにとって役に立ちましたか?
ぜひ読んだ感想を教えてください。

投票結果をみる

スカウト

関連記事