コーチの薦めるこの1冊

本は、わたしたちに新たな視点を与えてくれます。『 コーチが薦めるこの一冊 』では、コーチが自分の考え方や生き方に影響を与えた本についてご紹介します。個性豊かなコーチたちが、どんな本を読み、どんな視点を手に入れたのか、楽しみながら読んでいただけるとうれしいです。


子育てしながらイキイキ働く(『ウーマノミクス―仕事も家庭もあきらめない新しい「働き方」のカタチ』)

子育てしながらイキイキ働く(『ウーマノミクス―仕事も家庭もあきらめない新しい「働き方」のカタチ』)

著者:クレア シップマン, キャティー ケイ
出版社:アルファポリス
発売日:2014/07

子育てしながらイキイキ働く

私には4歳の息子と1歳の双子の娘がいる。

1人目を出産し職場復帰してからの約3年間、時間的な制約はもちろん、精神的な制約を感じることが多かった。幸いにも比較的自由度の高い職場で働いているが、それでも自分がやりたいことと仕事に費やせる時間の狭間で苦しむこともあった。しかし、2回目の育児休暇から復帰してからは、この本のおかげで目まぐるしいが心穏やかな日々を過ごせている。

本書と出会ったのは双子を妊娠する直前。もがきながらも育児に慣れ、自分のやりたい仕事にやっと携われた時だった。仕事も大切にしたいし、二人目の子供もほしい。そんなぼんやりとした悩みを抱えていた頃、上司だったエグゼクティブコーチから、とても実践的な内容だから読んでみたら、と本書を紹介された。

本書は、ジャーナリストで母であるクレアとキャティーが多くの女性を取材し、柔軟な働き方を手に入れ、かつ仕事の生産性も落とさずに活躍するためにどう立ち振る舞うべきかが書かれている。女性も、旧来の男性と同じような働き方をしなくても、女性特有の優れた能力を発揮することで生産性高く働き、キャリアを得ることができる、というのだ。仕事で高い成果を出しつつ自分の時間ももてるのか!と明るい希望が持てた。

特に感銘を受けたのが、「罪悪感を捨て、NOと言う」という章だ。その前提には、自分が一番大事にしたいことは何なのかを自分で定義し、自分を尊重し裏切らないという信念がある。以前の私は「NO」と言うことができず、自分の存在価値を高めたいと思う自負心のあまり、時間に追われミスし自己嫌悪に陥るという悪循環にはまっていた。それは誰も幸せではないし、むしろ周囲に迷惑をかけることになる。

自分が一番大事にしたいことに目を向けると、自然と自分のできること、やりたいことをシンプルに整理できるようになる。そこから、何でも自分でやりたいという自己満足を手放し誰かに託す、あるいは今ではなく未来にゆだねるのも一つの方法だと思えるようになった。まだまだ抱えすぎてしまうこともあるが、自分の大事にしたいことに向き合えているだけで、気持ちが軽く晴れやかになる気がする。

また、理想郷(自分の望む働き方)を手にいれるための9つのルールもとても心に残った。たとえば、「強気で交渉する」「よい業績を上げ、それを自覚する」「絶対に怒って交渉しない」「上司を安心させる」――など。理想郷は待っているだけでは手に入らず、自分から取りにいくものだ。特に、ルール8の『いったん取り決めを手に入れても、安心しないこと―"大事なのはコミュニケーションを続けること"』にはこう書いてある。

・業績を上げ続けること
・積極的に自分から上司、部下、同僚と連絡を取り続けること
・フィードバックする(意見を交換する)こと

雇う側、働く側がどちらかが我慢するのではなく、お互いWIN-WINの関係を作ることが重要なのである。

「もっと賢く、もっと楽に働いて、自分が欲しいものを要求しよう」

本書のキーメッセージは実に明快だ。実践することは決して簡単なことではないが、これからの自分の人生を豊かにしていくためには必要なことだ。「自分が欲しいものは何なのか」と自問することも大切にしたいし、「目の前にいる相手が欲しいものは何なのか」を周囲のたくさんの人に問いかけていきたい。

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